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県民健康づくり計画「健康実現えひめ2010」- たばこ(喫煙)

県民健康づくり計画「健康実現えひめ2010」- たばこ(喫煙) 

http://www.pref.ehime.jp/040hokenhukushi/030healthpro/kenkou/kenjou/tabako/index.htm

1 はじめに
 たばこは、肺がんをはじめとして喉頭、食道、胃、膀胱、膵などの多くのがんや虚血性心疾患、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患、歯周疾患などの疾患、及び低出生体重児や流・早産など妊娠に関連した異常の危険因子です。特に、未成年期からの喫煙は危険性を増大させます。さらに、本人の喫煙のみならず、周囲の喫煙者のたばこ煙による受動喫煙も、非喫煙者の肺がんや虚血性心疾患、呼吸器疾患、乳幼児突然死症候群などの危険因子となります。
 しかし、禁煙に成功すれば、喫煙を継続した場合に比べて、危険性は大きく減少します。欧米先進国では、たばこ抑制策(警告表示、公共の場所の禁煙、たばこ広告の禁止、たばこ税増額)の結果、たばこ関連疾患が減少しています。
 人口動態統計によれば、近年急増している肺がん死亡数が平成10年に初めて胃がんを抜き、がん死亡の中で首位となり、今も増加傾向にあります。本県においても、同年より、肺がんががん死亡の第1位となりました。成人男性の喫煙率が先進国の中では極めて高率のままでいるのみならず、近年若い女性や未成年者の喫煙率が上昇し、国民一人当たりの消費量も先進国の中では最も多いので、一刻も早い有効な対策が望まれます。
 また、たばこによる疾病・早世に伴う労働・経済上の損失は、個人・家族だけでなく社会・国家的にも大きく、財政的にも禁煙は大きく貢献するといわれます。世界銀行は、たばこによる疾病や死亡のための経済的損失は、たばこ税をはじめとする関連産業での経済的効果を上回ることから、各国にたばこ抑制策を求めています。

2 基本方針
 公衆衛生上の観点から、本県のたばこ対策の目標は、「たばこによる疾病・死亡の低減」です。肺がんなどたばこ関連疾患が顕在化するまでには数十年のタイムラグがあること、現在、肺がんなどたばこ関連疾患による死者が急激に増加していることを考慮すれば、将来的に、たばこによる死亡を減少させるためには、一刻も早い抜本的な対策が必要です。
 たばこの健康影響に関する知識について、十分でない現状から、県民各層へのわかりやすい情報提供がより一層図られるよう、情報提供体制を整備します。十分にわかりやすい情報提供によ例えば自らの意思に基づく喫煙の結果、たばこ関連疾患に罹患した場合、喫煙者本人の責任が大であることを十分認識してもらう必要があります。このことを基本とし、未成年者の喫煙防止(防煙)、受動喫煙の害を排除・減少させるための環境づくり(分煙)、禁煙希望者に対する禁煙サポート(禁煙支援)の3つの対策を強力に推進します。

3 現状と課題
(1)喫煙率とたばこ消費量
  平成11年の松山市及び平成12年の松山中央保健所の調査では、喫煙者の割合は男性49.7%、女性11.7%になっています。それから推計すると、本県の成人喫煙者は、男性26.7万人、女性6.8万人になります。また、平成10年の本県のたばこ消費量は36.4億本で、20歳以上人口1人当たり消費量は3,075本であり、全国と比較すれば、10%程度少ない状況です。

(2)たばこ関連疾患
 平成10年人口動態統計によると、肺がんの死亡数は748人、虚血性心疾患1,034人、脳血管疾患2,007人、慢性閉塞性肺疾患171人になっています 。
 たばこ関連疾患、特に、肺がんは最近増加傾向にあり、現在の喫煙状況を根本的に改善しない限り、これらのたばこ関連疾患による死亡数の増加が続くものと思われます。

(3)たばこの健康に及ぼす影響に関する認識
 平成12年健康づくり関する県民意識調査では、全体の84.3%の人が「喫煙で肺がんにかかりやすくなる」と思っている一方で、「心臓病」は42.1%、「脳卒中」では34.7%など、疾患によってはたばこの健康影響に関する認識が低い状況です。県民が、たばこの危険性に関し十分な知識を得た上で行動を選択できるよう情報提供体制を強化する必要があります。また、喫煙者には、「禁煙により心臓病等のたばこ関連疾患の危険性が減少」することを十分知らせる必要があります。一般県民や政策決定者には、諸外国のたばこ対策やその評価についても積極的に情報を提供していきます。
 喫煙をするかどうか、喫煙を継続するかどうかは、これらの科学的な情報が十分に提供された上で、本来個人の自由な選択に任せられるべきものであります。これらの十分な情報提供を通して、喫煙率が大幅に減少するよう努めます。

(4)未成年者の喫煙状況
 未成年者の喫煙は、平成8年の未成年者の喫煙行動に関する全国調査(国立公衆衛生院)によると、月1回以上喫煙する者の割合は、中学1年で男子7.5%、女子3.8%、学年が上がるほど高くなり、高校3年では男子36.9%、女子15.6%となっています。毎日喫煙者の割合は、中学1年では男子0.7%、女子0.4%ですが、高校3年男子では25.4%、女子では7.1%に達しています。
 薬物乱用防止教室アンケート(平成10年愛媛県警察本部少年課少年サポートセンター調査。ただし、中学生は松山市内のみ)によれば、本県の喫煙経験者は中学1年で男子8.7%、女子3.9%、高校3年で男子28.6%、女子9.4%で、毎日喫煙者はそれぞれ、0.9%、0.2%、11.6%、2.2%となっています。
 なお、平成7年の新居浜市の小・中学校の教員の喫煙率は女性は0%でしたが、男性では小学校44%、中学校56%でした。特に教育関係者は、未成年者の将来の行動に大きな影響力を持つので、少なくとも児童・生徒の目の届く範囲では禁煙することが期待されます。

(5)非喫煙者保護の状況
 近年、交通機関をはじめ公共の場所の禁煙・分煙はかなり進み、県においても、平成10年より職場内の分煙を実施し、一定の成果をあげています。しかし、市町村をはじめ多くの職場やスーパーマーケット、体育施設等では、喫煙スペースを設けていても、分煙とは程遠い状態にあります。特に、空港や駅、ホテルロビー、レストラン、ボウリング場、ゲームセンターなどの施設では分煙がほとんど厳格に実施されていないのが現状です。
 今後、公共の場所や職場での分煙を徹底するほか、家庭における分煙も進める必要があります。

(6)禁煙支援の状況
 平成11年県民健康調査では、喫煙者(20歳以上)のうち37.5%が「やめたい」と考えており、「本数を減らしたい」と考えている人を含めた禁煙・節煙希望者は53.3%にも達しています。この高い数値は、禁煙支援が適切に行われていない状況を示しています。
 なお、妊産婦の喫煙は、早産、流産、胎児の発育異常等の危険性を高めることが明らかになっているので、妊産婦に対する積極的な禁煙支援に取り組むとともに、その配偶者及び家族に対しても同様の支援をすることが必要です。

4 目標 別表参照

5 今後の対応
(1)情報提供
 行政機関は、県民が十分な知識を得た上で選択できるよう、たばこの危険性に関する正しい情報を提供するほか、諸外国の対策やその評価についての情報も積極的に提供する必要があります。また、たばこ製造者・販売者も、喫煙の健康影響に関して十分な情報提供を行い、喫煙の結果生ずる健康被害が喫煙者自身の責任でもある旨を周知徹底させることが求められます。

(2)未成年者の喫煙防止
 学校教育や地域保健の現場における健康教育を充実させるとともに、未成年者にたばこの危険性に関する情報を十分に提供するほか、屋外設置自動販売機などにより未成年者が購入しやすい現在の仕組みを改めることが必要です。また、未成年者が利用する施設では、原則禁煙とし、体育施設、学校施設等を一般の人が使用する場合にも、禁煙を使用条件にするべきであります。空港や駅などの交通機関、スーパーマーケット、レストラン、ボウリング場、ゲームセンターなども分煙を徹底し、未成年者の喫煙を防止する体制を整備する必要があります。

(3)非喫煙者の保護
 受動喫煙からの非喫煙者の保護という趣旨を徹底し、不特定多数が利用する公共空間(公共の場所及び歩行中を含む)や職場では原則禁煙または効果的な分煙を徹底するべきです。

(4)禁煙支援
 たばこは依存性が強いため、禁煙を個人の努力だけに期待するのではなく、禁煙希望者に対する禁煙支援の積極的な推進が重要です。県民全体として「たばこによる健康被害の低減」を推進するため、今後、禁煙を希望する人に対する禁煙支援プログラムを行政サービスとして行うだけでなく、保険者が行う保健事業の場や、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬局等による医療サービスの場を活用して、身近に受けられるようにしなければなりません。環境を整備することで、10年後の喫煙人口を大幅に減少させることが可能です。

(5)たばこ対策の実施主体
 県及び市町村は、地域保健・職域保健・学校教育などの場において、たばこ対策を推進しますが、医師会、歯科医師会をはじめ保健医療団体や学術団体も、それぞれの役割と責任において、たばこ対策を推進することが必要です。 

詳しくは

http://www.pref.ehime.jp/040hokenhukushi/030healthpro/kenkou/kenjou/tabako/index.htm

Ehime

21:07 2008/10/20 ・・☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆ 切明義孝の公衆衛生情報 公衆衛生ネットワーク 健康日記 ブログ おすすめ本棚 おすすめ医学書 公衆衛生ネットワーク 健康と医学のメーリングリスト  万福ダイエット 禁煙情報 お勧め書庫 公衆衛生ネットワーク Public Health Network in Japan ,Since 2000 *☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆・・

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