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タバコ会社のファンド・助成金に,市民・社会活動団体は関わるべきではありません

タバコ会社のファンド・助成金に,市民・社会活動団体は関わるべきではありません
(日本禁煙学会声明・提言)
http://www.nosmoke55.jp/action/0608npo.html
(JT,PM,BATの各社社長およびマスコミ各社に送付)

2006年8月5日

タバコ会社のファンド・助成金に,市民・社会活動団体は関わるべきではありません
(日本禁煙学会声明・提言)

日本禁煙学会
理事長  作田 學
181-8611三鷹市新川6-2-20
杏林大学神経内科教授室内
E-mail
FAX 0422-47-5931
URL:http://www.nosmoke55.jp/

日本たばこ産業(JT)やフィリップモリスジャパン(PM)などは,近年,社会貢献と銘打って,青少年育成の活動助成,市民活動やNPO活動助成などを行っています。またこれらの助成事業に,媒介(コーディネート)役を果たす団体もあります。

本学会は,タバコ会社はこのような活動助成にタバコマネーを供出すべきではなく,これらの活動団体は助成申請すべきでなく,また助成事業に与(くみ)するべきではないと考えますので,声明・提言として発表します。

1. タバコ会社は,未成年者がタバコを購入することを完全にシャットアウトし,かつ未成年者と若者をターゲットにした広告宣伝やスポンサーシップを止め,なおかつ,喫煙者にタバコの有害性・依存性の真実を伝えること,そしてこれらに資金を投入することこそが社会的責務であり,たばこ規制枠組条約でも求められていることを自ら認識し,道義にもとる,免罪的と言わざるを得ないこれらの助成事業を中止すべきです。
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たばこ規制枠組条約
第十三条 たばこの広告、販売促進及びスポンサーシップ
1 締約国は、広告、販売促進及びスポンサーシップの包括的な禁止がたばこ製品の消費を減少させるであろうことを認識する。
2 締約国は、自国の憲法又は憲法上の原則に従い、あらゆるたばこの広告、販売促進及びスポンサーシップの包括的な禁止を行う。この包括的な禁止には、自国が利用し得る法的環境及び技術的手段に従うことを条件として、自国の領域から行われる国境を越える広告、販売促進及びスポンサーシップの包括的な禁止を含める。この点に関し、締約国は、この条約が自国について効力を生じた後五年以内(日本は2010年まで)に、適当な立法上、執行上、行政上又は他の措置をとり、及び第二十一条の規定に従って報告する。

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2. PMは2004年度,2005年度に「PM市民活動~住民活動助成」を行い,この助成については,NPO法人市民社会○○ファンドが,コーディネートをしていましたが,2004年度当初に「このようなタバコ会社との連携・コーディネートは,有害商品を売るタバコマネーが市民社会に静かに潜行することをサポートすることであり,市民活動団体をタバコ産業に与することに引き込むことになるので,即刻やめるべきである」との批判が本学会の連携団体よりなされました。その抗議要請を受けてかどうかは不明ながら,2006年度以降は,一般公募は見送られるようになったようですが,
  http://www.civilfund.org/fund22.html
PMは今後,助成事業は全面的に中止し,NPO団体等もコーディネートすべきではありません。


3. JTは「青少年の健全な育成のNPO助成事業」を行っています。
  http://www.jti.co.jp/JTI/contribution/npo/index.html
このような,道義にもとる,免罪的と言わざるを得ない,かつ真摯に取り組む市民・社会活動団体に迷惑をかけるスポンサーシップとなる助成事業は,たばこ規制枠組条約を踏まえ,直ちに中止すべきです。(JT将棋,JTコンサート,JTバレーボール等についても中止すべきであり,これらについては別途に声明を出すことにしています。)


4. NPO・市民・社会活動団体も,これらタバコマネー(助成金)に申請し,助成を受けるべきではありません。

周知のように,タバコは,吸う本人にも,周りの人にも健康に有害です。
  http://www.health-net.or.jp/tobacco/menu03.html

例えばアメリカでは,大学などがタバコ会社の株式を放出してタバコ産業と関わらないようにすべきとのキャンペーンが10年以上も前からおこなわれ,その結果,多くの大学はタバコ産業株を売却して手を切りました。

この例に見られるように,商品として有害なことが明確であるのに合法的に売られている商品はタバコのみです。
・パッケージの1/3の面積に健康有害警告が義務づけられていますし,
・広告宣伝も厳しい枠がはめられ,電車や駅の広告,ビルボードの広告は既に中止されていますし,
・健康増進法で公共の場の受動喫煙防止が管理者に義務づけられています。
それほどの有害商品です。

このような有害商品を販売するタバコ会社がNPO・市民・社会活動助成の形で販路を拡大するマーケティング方法に,NPO・市民・社会活動に関わり,あるいはサポートする立場の団体は,関わりを持つべきではありません。


5. JTやPMなどタバコ会社は,日本やアメリカで売れなくなった分,海外,特に開発途上国を含め,様々の手段で販路拡大に躍起になっています。その犠牲のターゲットは,子ども達・未成年者・若い女性・低所得層などです。このようなマーケティングとスポンサーシップに与するのは自重されるべきです。


6. 2003年の WCTOH2003(タバコか健康か世界会議)の大会宣言の第4項,及び2006年7月のアメリカ・ワシントンDCで開催された同上の世界会議の大会宣言の第5項でも,以下が採択されています。
#5. Governments, academia, and civil society must not accept funding or participate in the tobacco industry's youth, social responsibility, voluntary marketing or other programmes.
(市民組織・社会,学術団体,政府・政治組織は,若者やボランティア活動などが,タバコ会社の援助を受けないよう,関わらないよう,すべきである。)


7. 最後に,NPOサポート団体やマスメディアなども,タバコマネーの助成について,その広報や広告をホームページや記事などでしないこととすべきです。広報・広告そのものがタバコ会社のマーケティングに協力することになる,と言わざるを得ません。


以上

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受信: 2009年1月 8日 (木) 20時07分

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