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6 たばこ

(1) 基本的な考え方

 たばこは呼吸器疾患、歯周病、低体重児出生や流・早産等の妊娠に関連する異常の危険因子である他、日本人の三大死因であるがん、心臓病、脳卒中の発症や死亡にも強く関与しています。さらに、たばこは、本人のみならず、たばこの煙による受動喫煙によって、周囲の人の健康にも大きな影響を与え、肺がん等の呼吸器疾患、虚血性心疾患、乳幼児突然死症候群等を引き起こす一つの原因になっています。
 たばこに関連するこれらの疾患の発症には、数十年の年月がかかるため、喫煙者の多くが、たばこの害についてそれなりの認識を持ちながらも緊迫感を持たず、喫煙を継続することが多いのが現状です。未成年者も、好奇心から喫煙を始めると、ニコチンによる依存症もあって喫煙を継続し、禁煙の機会を失うことが少なくありません。
 このようなたばこの特性、喫煙の特徴等から、県民に対して正確で、かつ、わかりやすい情報を提供することが重要で、そのための体制づくりが不可欠です。さらに、未成年者や若年女性の喫煙防止、禁煙希望者への支援、喫煙抑制のための環境づくりが重要です。


(2) 現状と課題

ア たばこに関連する疾患
 平成11年の人口動態統計によると、本県の年間死亡者数は12,142人で、そのうち、がんは3,658人(男2,210人 女1,448人)、虚血性心疾患は715人(男348人 女367人) 、慢性閉塞性肺疾患が107人(男81人 女26人)、脳血管疾患が2,176人(男1,038人 女1,138人)となっています。
 がん死亡に関与していると考えられる様々な要因のうち、たばこは食事に次ぐ重要な要因であり、男性の場合、毎日喫煙のがん死亡に及ぼす寄与危険度はがん全体で32%で、この中で喉頭がんは96%、肺がんは72%となっています。一方、虚血性心疾患は36%、くも膜下出血は38%となっています。
 また、非喫煙の妻の場合、夫の喫煙が妻に及ぼす寄与危険度は、副鼻腔がん36%、肺がん31%、虚血性心疾患12%となっています。
 この考え方によると、喫煙率が半減した場合、本県において、がん、脳卒中、心筋梗塞による死亡者を救える数は、年間の事故死や自殺死の合計を上回ることが統計学的に推測されており、喫煙に対する対策は生活習慣病を予防する上で、極めて重要な課題です。

イ 喫煙状況及び禁煙希望者の状況
(ア) 喫煙状況
 わが国の喫煙率(平成7年国民栄養調査)は、男性53%、女性11%で、諸外国の喫煙率(アメリカ男性28%、女性23%、イギリス男性28%、女性26%、イタリア男性38%、女性26%(米国厚生省、WHO資料))と比べ、男性は高く、女性は低くなっています。
 本県の喫煙率(健康意識調査)は、男性49%、女性11%となっています。年代別では、20歳代49%、30歳代41%、40歳代36%、50歳代32%、60歳代18%、70歳以上14%と、若年層での喫煙率が高くなっています。
 また、全国における未成年者の喫煙率(「未成年者の喫煙行動に関する全国調査」平成8年)は、中学1年の月1回以上の喫煙者は、男子8%、女子4%ですが、高校3年では、男子37%、女子16%と4~5倍となり、毎日喫煙者も中学1年では、男女とも1%未満のものが、高校3年になると、男子25%、女子7%と大幅に増加しています。
 なお、本県における未成年者の喫煙の実態がこれまで把握されていないことから、今後のたばこ対策を講じる上でも、実態把握のための調査を実施することが必要です。

(イ) 禁煙希望者の状況
 たばこをやめたいと思っている人は、男性29%、女性47%で、吸っている本数を減らしたいと思っている人を含めると、男性78%、女性80%となっています。(健康意識調査)

ウ 禁煙に対する取り組みの状況
 平成10年度に、市町村が実施した肺がん予防のための健康教育の開催回数は79回、参加者数は2,579人で、乳がん、大腸がん予防等の教育に比べると少なく、禁煙の重要性に対する情報提供の機会を拡大していく必要があります。
 また、禁煙又は喫煙本数の減少を希望する人が喫煙者の4分の3を占めているにもかかわらず、県内で禁煙クリニックを導入している医療機関はごくわずかであり、検診機関においても事後指導として禁煙教室が開かれたことはありますが、指導スタッフの問題や禁煙教室への参加者の減少などにより、現在は中止されているところが多いのが現状です。なお、平成12年度からは、保健事業第4次計画に基づいて、禁煙希望者に対する個別健康教育が開始されています。
 未成年者に対するたばこ教育については、教育機関と十分に連携を図りながら指導内容や方法を確立するとともに、指導者の確保に務める必要があります。


(3) 大目標

1 たばこの害について情報提供し、知識の普及に努めます。
2 たばこの被害防止のための社会環境の整備に努めます。
3 禁煙希望者に対する支援を促進します。

 喫煙者や周囲の受動喫煙者に及ぼすたばこの害について、正確な情報の提供による知識の普及に努め、できるだけ多くの県民の禁煙意識を高めることが必要です。
 また、公共の場等での喫煙抑制により、たばこによる環境汚染を少なくして、受動喫煙による害を予防することが必要です。
 さらに、たばこをやめたいと思う人には、行政、保健医療担当者が中心となって、効果的な禁煙指導による積極的な個別支援を行うことも必要です。
 なお、たばこを吸うかどうかは、本来一人ひとりの自由な選択に任されるべきものであり、その前提として、県民がたばこに関する知識を十分に得る必要があることから、たばこに関する情報を積極的に提供することが必要です。こうした情報の提供に基づき、県民が主体的に禁煙に取り組むことを通じて、将来的に、喫煙率が大幅に減少するように努めます。


(4) 小目標

指    標 基 準 値 目 標 値
行 動 指 標 未成年者の喫煙率 参考(全国値)  
  1 中学1年男子 1) 7.5% 0%
  2 中学1年女子 1) 3.8% 0%
  3 高校3年男子 1) 36.9% 0%
  4 高校3年女子 1) 15.6% 0%
妊産婦の喫煙率   今後調査 0%
喫煙によりかかりやすい疾患を知っている者の割合
  1 肺がん 2) 75.0% 100%
  2 ぜんそく 2) 48.9% 100%
  3 気管支炎 2) 50.8% 100%
  4 心臓病 2) 30.5% 100%
  5 脳卒中 2) 21.3% 100%
  6 胃潰瘍 2) 25.4% 100%
  7 妊娠への影響 2) 60.3% 100%
  8 歯周病 2) 20.5% 100%
環境指標 公共の場や職場での空間分煙している割合
  1 公共施設 3) 44.8% 100%
  2 職場   今後調査 100%
禁煙のための個別健康教育を実施している市町村 4) 5市町村 全69市町村
基準値のデータ出所
1) 未成年者の喫煙行動に関する全国調査(平成8年度)
2) 健康意識調査(平成12年度)
3) 市町村におけるたばこ対策事業実施状況調査(平成10年度)
4) 保健事業実施計画(平成12年度)

(5) 重点施策

ア 健康教育の充実

学校における喫煙防止教育の強化
職場でのたばこに関する健康教育の普及
市町村が実施する肺がん予防教育に対する支援
各年齢に沿った教育プログラムと技法の開発の促進
専門指導者の育成と確保

イ 情報提供の推進

マスメディアやインターネットの活用、キャンペーンの展開等によるたばこの危険性や、がん等疾病との関係、受動喫煙による害について、正確な情報の積極的な提供

ウ 禁煙支援の強化

禁煙の動機づけ強化のため、市町村で行う検診や健康教育にニコチン濃度検査などの導入促進
禁煙への意識改革をもたらすため、医学的知識の普及、禁煙サポーターの育成等、育成心理や行動科学等を用いた広い分野での教育技法の導入
相談室の設置、進路指導、ストレスケア等、生活や精神面のサポートを並行させた未成年者の禁煙指導強化
禁煙希望者が支援相談を受けられる窓口の設置
老人保健事業として行う禁煙のための個別健康教育に対する市町村への支援

エ 社会環境の整備の促進

教育機関、公共施設等での分煙化の促進
電車、バス、タクシー等公共交通機関内での禁煙措置の導入要請
事務室、作業場、会議室、休憩室、食堂、レストラン等多数の人が集まる場所での禁煙措置の導入要請
たばこ自動販売機の屋外設置や通学路での設置の自主規制等、未成年者に対するたばこ防止の環境形成の促進

オ たばこ対策推進体制の整備

禁煙対策を総合的に推進するため、保健、医療、企業、教育、地域等の関係者を構成メンバーとする協議の場の設置


(参考)

寄与危険度

 曝露を受けた集団の罹患率が曝露を受けない場合に比べてどれだけ増加したかということを、両集団の罹患率から、次の式で計算する。

               IR1-IR2
  寄与危険度 =───────×100
                  IR1
          ただし  IR1:曝露集団の罹患率
                IR2:非曝露集団の罹患率

例:喫煙者の集団で肺がん罹患率が10万人当たり200、非喫煙者の集団では25であったとすると、上記式から寄与危険度は87.5になり、肺がん罹患率の87.5%に喫煙が寄与していると考えられる。

詳しくは

http://www.pref.akita.jp/eisei/21project/plan05-06.html

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