女子学生6人に1人が50代の骨! 骨粗しょう症予備軍に気をつけて
女子学生6人に1人が50代の骨! 骨粗しょう症予備軍に気をつけて
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131206-00000005-nallabout-hlth
All About 12月6日(金)12時30分配信
「骨粗しょう症」は、骨がスカスカになってもろくなり、痛みや骨折を引き起こす病気です。60歳以上の女性に多くなり、お年寄りの病気というイメージが強いですが、実は若い人でも油断はできません。骨粗しょう症予備軍という、骨粗しょう症になる危険性の高い人も多いと懸念されています。
骨量が低下する原因は、加齢、運動不足、喫煙、過度のアルコール摂取、食生活の乱れ、ストレスなど。そして女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが減少すると骨量が減少することが知られています。
辻学園栄養専門学校の広田孝子教授の調査では、「20歳前後の女子学生の6人に1人は骨密度が低く、50歳並み」という結果が出ました。さらに調査対象を小・中学生まで広げてデータを収集したところ、骨密度がかなり低い人がおり、骨粗しょう症の予備軍が低年齢層にも広がっていることが分かったのです。
■骨密度が低下する若い女性の食生活
調査を分析すると、骨密度が低下している若い女性たちは、運動不足や睡眠不足などの生活習慣の問題、スナック菓子やお菓子、ファストフード、インスタント食品が好き、野菜や海草嫌い、欠食、ストレスを感じている、ほっそりしているなどの傾向がまとめられました。
また小中学生にも偏食や運動不足の傾向が見られます。10代は、骨をどんどん作っていかなければならない時期。また20~40代は一生で骨量が一番多くなり、それを減らさないように維持しなければならない時期です。その時期に、骨に必要なカルシウムを十分摂取しないばかりか、極端なダイエットのせいでホルモンのバランスを崩すようなことがあれば、若くても骨粗しょう症や骨粗しょう症予備軍になる危険性が高まります。
■骨も新陳代謝を繰り返す
骨は、「古い骨を壊し(骨吸収)、新しい骨(骨形成)に作り替える」という新陳代謝を繰り返すことで、強さやしなやかさをキープしています。これを「骨のリモデリング」と言います。骨吸収に約6週間、骨形成に約4カ月かかると言われています。
様々な原因により骨量が減り、骨吸収と骨形成のバランスが崩れると、骨粗しょう症の原因になります。骨粗しょう症が怖いのは、自覚症状がほとんどないこと。骨折や腰痛などが起きて初めて気付いたというケースが多いのです
■若い時期からの骨の貯金が大切
将来高齢になった時にできるだけ骨粗しょう症にならないようにするには、思春期に骨量をできるだけ多く蓄えておくことが必要です。特に、18歳未満でダイエットを経験すると、閉経後に骨量が低くなる可能性が高くなると言われています。一般に18~20歳頃に最大骨量(ピークボーンマス)となり、加齢とともに骨量は減りますが、最大骨量が多いほど骨粗鬆症になりにくいと言われています。
■骨粗しょう症予防に役立つ栄養素・成分
骨量を減らす原因の一つが、食生活の乱れ。カルシウム不足が大きな要因ですが、他にも骨の健康に関わる栄養素や成分について、ご紹介しましょう。
・カルシウム
現在1日に必要なカルシウム量は600mgとされていますが、現代の日本人はやや足りない状況です。骨粗しょう症の治療ガイドラインでは1日800mgのカルシウムの摂取を勧めています。カルシウムは、小魚や海草類、緑黄色野菜、大豆・大豆加工品、乳製品等に多く含まれています。
・ビタミンD
ビタミンDは、腸でのカルシウムの吸収を助けます。干し椎茸や白キクラゲ、サケ、サンマなどに多く含まれています。イワシなどの丸干しを食べると、カルシウムとビタミンDを同時にとることができます。また日光に当たることでコレステロールを材料にビタミンDが合成されますから、屋外で陽にあたることも必要です。
・柑橘類
柑橘類に含まれているクエン酸は、骨の吸収を促す作用があります。
・コラーゲン
骨を形成しているタンパク質の一種。コラーゲン繊維は骨と骨の間をつなぐ軟骨にも多く含まれ、クッションの役割をしています。コラーゲンは、鶏肉の手羽やガラ、カレイ、フカヒレなどに含まれています。
・イソフラボン
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをして、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える作用があります。更年期や閉経後の女性はエストロゲンの分泌量が減るため、骨粗しょう症のリスクが高くなるのです。イソフラボンは、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれています。
・クエン酸
クエン酸には、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。お酢や柑橘類などの果物、梅干しには、クエン酸が多く含まれています。イワシを梅干しで煮ると、カルシウム吸収を促すためにも効果的です。
・納豆のネバネバ成分
納豆のネバネバ成分であるポリグルタミン酸は、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。他にも、カルシウムや、ビタミンKやイソフラボン等、骨の健康に役立つ栄養成分が含まれています。
■塩分、タバコ、アルコールに注意
塩分や糖分の摂りすぎや、タバコに含まれるニコチンは、カルシウムの吸収を悪くします。アルコールは、カルシウムだけでなく、ビタミンDの働きも抑えてしまいます。
またリンは、カラダに必要なミネラルですが、たくさん摂取しすぎるとカルシウムの吸収を妨げます。リンを多く含んでいる食品のうち、魚や乳製品はカルシウムも多く含まれているのでバランスがとれるのですが、肉類はカルシウムがたいへん少ないので、小松菜やほうれん草などを添えて補いましょう。また、リンは加工食品に添加物として含まれているので、加工食品ばかり食べていると、リンを多くとってしまうことになります。
食物繊維も単独で過剰にとると、カルシウムなどのミネラルを排泄してしまいます。食物繊維が必要以上に入っているダイエット食品などにも注意が必要です。
骨と言えばカルシウムだけを摂ればよいのではなく、幅広い食品からいろいろな栄養素や成分をとっておくことが大切です。もちろん食生活だけでなく、適度な運動はカルシウムを定着させて骨の強度をアップしますし、ストレスをうまくコントロールすることも心がけましょう。
文・南 恵子(All About 食と健康)
詳しくは
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