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電子たばこに逆風―NY市議会が公共の場所での禁煙条例可決

電子たばこに逆風―NY市議会が公共の場所での禁煙条例可決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131220-00000783-wsj-bus_all

ウォール・ストリート・ジャーナル 12月20日(金)11時42分配信

 健康的でたばこに代わるものとして創り出された人気の電子たばこが、強い逆風に見舞われている。

 ニューヨーク市議会は19日、バッテリーからの熱でニコチン味の液体を蒸気にして味わう電子たばこについて、公共性の高い場所での喫煙を禁止する条例を可決した。これにより、同たばこの使用者はレストランやバー、ストア、それに一部の公園などの場所で「ベープ(蒸気を吸うこと)」ができなくなる。他の都市や州もその使用を取り締まろうとしている。

 ニューヨークのほか、ロサンゼルスとシカゴも現在通常のたばこが禁煙となっている場所でも、電子たばこ使用を禁じることを検討。保健当局者は、これが有害で、危険な習慣をもたらし、ひいては喫煙につながると主張している。

 この提案は、年間1000億ドル(10兆4000億円)の米国市場における将来のたばこと目される電子たばこにとって最大級の脅威だ。まだ誕生間もないが急速に成長している同たばこ業界はアルトリア・グループやレイノルズ・アメリカンといった大手たばこメーカーは言うに及ばず、フェイスブックのショーン・パーカー元社長といった投資家も引き付けている。

 提案されている規制は、電子たばこの公衆保健への影響をめぐる論議も沸点に達しようとしていることを示している。科学者の間では、燃焼によって数千の有害物質が現れ、米国で毎年40万人が死亡している伝統的たばこほどに有害ではないとのコンセンサスができつつある。電子たばこ支持者は、これは4000万人の米国人が喫煙をやめるための強力な手段で、その蒸気が有害だとの証拠はないと主張している。規制は歴史的な機会をつぶすことになると言うのだ。

 より厳しいたばこ規制を求めている元公衆衛生局長官のリチャード・カーモナ氏は「電子たばこは、害を減らす上でここ数十年で最大の潜在力を持っていると思う」と述べた。同氏は今年、電子たばこメーカー、NJOYの取締役に就任した。

 米国肺協会(ALA)や「非喫煙者の権利を求める米国民」など反電子たばこ派は、害が少ないだけでは不十分であり、副流蒸気は汚染物質だと批判している。また、電子たばこは禁煙を回避するためのトロイの木馬で、多くの人をニコチン依存症にさせるものだとしている。

 米疾病管理予防センター(CDCP)の喫煙健康課のトップ、ティム・マカフィー氏は「電子たばこには合理的な懸念があり、これをたばこを対象としているクリーンエアの枠内に入れるべき理由がある」と語った。

 都市の当局者は、電子たばこは有害で、喫煙を増やすとの主張を利用して、伝統的たばこ並みの規制を導入しようとしている。ロサンゼルスとシカゴの議会は早ければ1月にも表決をする可能性がある。

 同時に、米食品医薬品局(FDA)は未成年者への販売禁止、ニコチン含有量の制限、フレーバー利用の禁止、あるいはネットでの販売・広告の禁止などの措置で、電子たばこを規制する連邦規則案を作成しているところだ。FDAは数週間内に提案を公表すると見られる。

 たばこ販売に占める電子たばこの比率は1―2%程度にすぎないが、その比率は急速に伸びており、喫煙者の半分はこれを試してみたと推測される。現在200のブランドがあり、その一部はテレビで宣伝している。伝統的たばこのコマーシャルは40年前に禁止された。

 たばこメーカー、ロリラードは最も人気のある電子たばこブルーを生産し、マールボロのメーカー、アルトリアは今年、インディアナ、アリゾナの両州で電子たばこのテスト販売を始めた。キャメルを生産するレイノルズ・アメリカンは来年、米全土で電子たばこを発売する計画だ。ウェルズ・ファーゴのたばこアナリスト、ボニー・ハーツォグ氏は、当局の規制が緩ければ、電子たばこの販売は10年以内に伝統的たばこを上回る可能性があるとの見通しを示した。

 ニュージャージー、ユタ、ノースダコタの3州は、オフィス、ストア、レストランなど公の場所での禁煙の対象に電子たばこも含めた。ボストンやシアトル、インディアナポリスなど100以上の都市も同様の措置を取った。フロリダ州ゲインズビル、ミネソタ州ハーマンタウン、アイダホ州ポカテロも12月にその仲間に入った。ポカテロは郡判事が裁判所内での電子たばこ吸引にクレームを付けたことから、この動きに加わった。

 全ての提案が受け入れられたわけではない。カリフォルニア州ラグナビーチとオクラホマ州タレクアでは提案が却下され、カリフォルニア州議会は表決を延期した。

 安全性をめぐる疑問が解消されないことで不透明感が強まっている。電子たばこの液体には水とグリセリンに似たプロピレングリコールが含まれているが、これは全て食品にも入っているものだ。しかし、FDAが09年に行ったサンプル分析では、発がん性があるニトロソアミンと不凍液に使われ人間に有毒なジエチレングリコールなどの有害物質が検出された。電子たばこの器具はそのほとんどが、米国の監視が届かない中国で製造されている。

 電子たばこが禁煙用の道具になるとの研究結果はほとんどない。ニュージーランドで657人を対象に行われ、今年秋発表された無作為化試験では、6カ月後の禁煙率は7.3%と「控えめな効果」で、FDAが承認しているニコチンパッチなどの禁煙製品とほぼ同じだった。

 当初の研究では、副流蒸気は伝統的たばこよりはるかに有害性が低いとされているが、これは無害だということではない。先週、「ニコチン・たばこ研究」に掲載された米国での研究によれば、電子たばこは「相当な」量の一酸化炭素を出すことはなく、近くにいる人がニコチンにさらされる量は伝統的たばこの10%だった。この論文の執筆者たちは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインなどの有毒物資についてもっと研究する必要があると述べている。

 ニューヨーク市の保健局長トマス・ファーレー氏は、先に市議会で行われた公聴会で、職場やバー、海水浴場などでの禁煙対象に電子たばこも含めるべきだとし、これがなければ喫煙をやめるだろう人々にとってつなぎの役割を果たすことが考えられるためだと語った。また、電子たばこは見た目が伝統的たばこに似ているため、既存の禁煙措置を守らせるのが難しくなると述べた。同氏は「再び喫煙が社会的に魅力的なものになれば、ティーンエージャーの喫煙率が上昇するのは確実だ」と付け加えた。

 電子たばこ規制の反対派は、たばこの蒸気は数秒で消え、ストアでは使用禁止マークを掲げる必要があるが、セントラルパークでの吸引まで禁止するのは行き過ぎだとしている。伝統的たばこから電子たばこに鞍替えしたグレゴリー・コンレー氏は公聴会で、電子たばこ禁止措置に反対する消費者グループの代表として発言、「住民だけでなく観光客までも対象にした数百万ドル規模の反電子たばこキャンペーンだ」と語った。

 ロリラード社は、周りの空気と電子たばこから出る蒸気とに違いはないとし、禁止措置は伝統的たばこの喫煙者をそのまま「固定」してしまうだろうと述べた。メーカーのNJOYは、市を相手取って提訴することも辞さない構えだ。糖分を含む特大サイズの飲料を禁止しようとした市が、メーカー側が起こした裁判で負けた例がある。

詳しくは

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