「楽しく健康に」社員思いの“お節介” メタボ解消、禁煙など
「楽しく健康に」社員思いの“お節介” メタボ解消、禁煙など
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140320-00000555-san-bus_all
産経新聞 3月24日(月)12時12分配信
従業員数が少ない中堅企業にとって、腕利き社員の病欠は業績を直撃する。水門や橋梁(きょうりょう)製造の丸島アクアシステム(大阪市中央区)は昨年、エース級社員2人が相次いで病気で長期療養し、これをきっかけに社員の健康管理と向き合うことを決意した。まずは予防が第一と、肥満解消や禁煙などに挑戦する社員を募集し、基準をクリアした社員には賞金を与える。島岡秀和社長自身が率先して参加し「楽しく健康に」をモットーに健康管理に取り組んでいる。
「健康はプライベートなことと考え、自己管理にまかせていた」。今西俊幸・執行役員管理本部長は後悔しつつ、こう話す。昨年、40代前半の働き盛りの社員2人が生活習慣病で療養に入った。幸い2人とも回復したが、2~3カ月の間、業務からの離脱を余儀なくされた。
今西本部長は「2人はそれぞれ、いろいろな業務をカバーしていたので、抜けた穴は本当に大きかった」と振り返り、「議論の末、会社は社員の健康のため、いい意味での『お節介』をしなければならないと決めた」。
かくして昨年12月に始めた“お節介”とは、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)解消▽体重5%以上減少▽禁煙-の3項目での賞金制度。挑戦する社員を募集し、これらの項目それぞれを達成すると1万~2万円の賞金を支払う。やる気を引き出す工夫だ。今年1月末まで募集したところ、約50人の社員が応募。2月から取り組みをスタートさせた。期間は6月末までを予定している。
体重減少のコースに参加する島岡社長は「失敗してもペナルティーはない。健康管理の意識を高めるきっかけにしたかった」と話す。なかなか太っ腹な取り組みだが、かくいう島岡社長、どう見ても太った印象はない。しかし、夕食の炭水化物摂取を控え、水泳やランニングを続ける。トップが先陣を切り、社員の参加を促しているのだ。
無理な減量などを進めたのでは、逆効果になることも。そこで丸島は健康管理の挑戦に応募した社員に対し、正しい健康管理を学んでもらうため管理栄養士を招いた講習会も開いている。現在のところ、社員らは楽しんで健康管理に取り組んでいるという。
自動車通勤が多い奈良工場(奈良県大和郡山市)では、最寄り駅からの約2キロを徒歩で通う社員が増加。週に1回、業務終了後に社員有志で工場周辺の4キロを歩く活動も始まった。
特に熱心な社員は毎日体重を測っており、奈良工場ではすでに基準を達成した社員も。今西本部長は「20代前半から60代まで幅広い社員が参加している。挑戦の成否は社内に張り出すため、みな必死に取り組んでいる」と話す。
賞金による後押しだけではない。丸島は活動を中断していたハイキング部「キスリングクラブ」を昨秋復活させた。キスリングとはリュックサックのような登山用具。昭和45年に始まった伝統ある部だが、参加者の減少や社の業績悪化などで平成10年に中断していた。
社員の健康に役立てるのはもちろんだが、若手社員から「社外で社員同士が交流できる場がほしい」との声があったのもきっかけだ。部の顧問も務める今西本部長は「10年前まで休日といえばプライベート意識があり、社内の人との交流を避けるような傾向があった。しかし若手社員の組織人としての意識が大きく変わってきたようだ」と歓迎する。
同部は昨年11月、大阪府と奈良県にまたがる二上山を30人規模でハイキングした。今年5月には健康管理に応募した社員も巻き込み、淡路島(兵庫県)で12キロのハイキングをする計画だ。
スポーツ活動に賞金制度と、多方面から社員の健康向上に取り組む島岡社長は「以前に比べて業務は多忙になっている。会社が社員のワークライフバランス(仕事と生活の調和)にも責任を持つ時代になっている」と強調している。(藤原直樹)
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