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コラム「南風」 疫学の因果関係

コラム「南風」 疫学の因果関係

2014年3月22日 

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-221843-storytopic-13.html

 最近話題の理化学研究所小保方さんのSTAP細胞の論文の問題、つまりその信ぴょう性が問われています。これは、他の研究者が論文を見て追試してみたが、STAP細胞が作れないということから、このような大きな問題へと発展しました。
 実は前回お話しした疫学においても、病気の発生原因などを探求するわけですが、原因と結果の関係、つまり因果関係を科学的に証明するには、いくつか手続きがあります。これは、犯人捜しをする刑事さんの行動にも類似します。例えば殺人事件が起こった場合、殺害現場の検証や目撃者の聞き取り調査などが綿密に行われ、犯人逮捕に迫ります。
 疫学における因果関係を判定する五つの基準を述べます。肺がんの原因として喫煙は既に科学で証明されていますのでこれを例に取ります。一つ目は関連の強固性といい、たばこを多く吸えば吸うほど肺がんの発生が多くなることです。二つ目は関連の一致性で、対象集団や地域が変わっても民族、国を問わずたばこを吸う人ほど肺がんになることが一致することです。三つ目は出来事の時間性ですが、たばこを肺がんになる前から吸っていること、つまり原因は結果の時間的に前に生ずることです。これは、因果関係の判定には必須になります。四つ目は関連の特異性で、たばこを吸ってない人は肺がんになることがほとんどないということです。最後に関連の整合性で、たばこの煙に含まれる発がん物質が肺の細胞の遺伝子を傷つけて発生するというメカニズムが医学的に証明されていることです。
 STAP細胞が追試でできないということは、関連の一致性に問題があるか、方法が不十分なのでしょう。このように因果関係の証明は非常に難しい作業ですが、それだけにやりがいもあるので、今後の科学に期待してください。
(笹澤吉明、琉球大学教育学部准教授)

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