ベトナム、たばこ密輸横行 税収損失年3億ドル 政府有効策なし
ベトナム、たばこ密輸横行 税収損失年3億ドル 政府有効策なし
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140313/mcb1403132217021-n1.htm
2014.3.14 05:00
ベトナムでたばこの密輸が後を絶たない。ベトナムたばこ協会によると、過去5年間のたばこ密輸量は年率9%で増加し、税収の損失額が年平均で3億ドル(約308億1000万円)に上る。2012年に約40億箱と推定される国内たばこ消費量のうち、20%が違法に国外から持ち込まれたもようだ。喫煙による死亡者数も増加しており、政府の対応を望む声が高まっている。現地紙ベトナム・インベストメント・レビューなどが報じた。
ベトナム政府は密輸を封じる有効策を打ち出せないまま、たばこ税の引き上げを検討していることも、国内たばこ事業者らの反感を買っている。政府は現行の65%から15年7月には75%、18年1月からは85%に引き上げる構えだ。
これに対して、ベトナムたばこ協会は、密輸取り締まりが不十分な状況で税を引き上げると、税を逃れた安価な密輸たばこの横行に拍車をかけると反論する。
国内たばこ事業者も現状では密輸たばこに価格面で太刀打ちできないとし、税の引き上げを15年末まで延期するよう政府に求めている。
ベトナムは世界でも有数の喫煙国で、喫煙にともなう健康被害も深刻だ。ホーチミン市健康教育交流センターは、全国で毎年4万人以上がたばこに起因する疾患で死亡していると指摘。今後、政府が喫煙者減少に向けた対策を講じなければ、30年までに人口の約1割がたばこが原因で死亡するだろうと警告している。(シンガポール支局)
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