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公共スペースの禁煙で早産と子供の喘息の受診が大幅減少

公共スペースの禁煙で早産と子供の喘息の受診が大幅減少

http://kenko100.jp/articles/140422002930/

2014年04月22日 10:30 公開

世界的な禁煙の機運を受け、各国で公共のスペースや職場での禁煙を法制化する動きが出ている。こうした取り組みは本当に効果があるのか。オランダ・マーストリヒト医療センターのJasper Been氏らは、欧米諸国の研究結果を解析したところ、早産と子供の喘息(ぜんそく)で医療機関を受診する数が大幅に減少したことが分かったと、3月28日発行の英医学誌「Lancet」(電子版)に発表した。

受動喫煙に関連した死亡の4分の1が子供

 現在、177カ国が世界保健機関(WHO)のたばこ規制枠組み条約(FCTC)に批准しているが、禁煙法で守られているのは世界人口全体の16%のみ。世界の子供の4割が日常的に受動喫煙にさらされているという。

 一方で、これまでの研究では、禁煙の法制化が大人に与える影響を検討したものがほとんどだった。しかし、受動喫煙に関連した死亡の4分の1以上を子供が占めていることから、禁煙法が子供に与える影響を明らかにする必要があった。

 Been氏らは今回、1975~2013年に発表された、公共スペースでの喫煙規制が子供(12歳以下)の健康に与える影響を検討した研究のうち、2008~13年に発表された11件(北米5件、欧州6件)の結果をまとめて解析した。

施行1年以内でそれぞれ10%減

 その結果、4研究の解析から、禁煙の法制化から1年以内に早産が10.4%減少していることが判明。3研究の解析から、同じく喘息での受診も10.1%減少していることが分かった。一方、6研究の解析から、低出生体重への影響は認められなかったという。

 以上のことから、Been氏は「禁煙法がこうした効果をもたらす仕組みは不明だが、幼少期の受動喫煙から守ることで、病気が減り、さらには経済的な損失を軽減できる可能性があることが示された」とコメント。さらに「この報告は、"たばこのない社会(smoke-free environments)"を国家レベルで実現するというWHOの推奨を、強く支持するもの」との見解を示している。

 米カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSara Kalkhoran氏らは、同日発行の同誌の付随論評(電子版)で「たばこ企業とその支持者、たばこ企業の助成を受けている団体は、レストランやバー、カジノなどの経済的な損害を主張し続け、禁煙の法制化に反対してきた。しかし、こうした影響は研究結果によって一貫して否定されている」と説明した。

 その上で、禁煙法やその他のたばこ規制政策が、医療費の削減する即効性の高い方法であることをあらためて強調。「単純ではあるが、これほど迅速かつ実質的に健康が向上し、医療費が節減できる方法は他にない」と述べている。

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