世界禁煙デー…「たばこにかかる税金を上げよう」
世界禁煙デー…「たばこにかかる税金を上げよう」
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5月31日は世界保健機関(WHO)が定めた世界禁煙デーです。今年のテーマは「Raise taxes on tobacco(たばこにかかる税金を上げよう)」です。
ちなみに、日本の厚生労働省による今年のテーマは「オールジャパンで、たばこの煙のない社会を」です。以前はWHOのテーマに準じていたのですが、しだいに意訳や超訳になり、近年は独自のテーマが掲げられています。
たばこの税金を上げることが、なぜ禁煙に重要なのかというと、たばこの値段が上がれば特に購買力の弱い、若者の喫煙を抑える効果があるためです。日本が批准している「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」においても、価格政策は規制の柱のひとつとして盛り込まれています。
日本では、4月の消費税引き上げに伴い、たばこの値段も引き上げられ、たとえばメビウスは1箱(20本)が410円から430円になりました。たばこには消費税のほかに、国・地方のたばこ税、たばこ特別税がかかっており、430円のうち64%が税金です。
こうみると、現在でも随分税金がかかっているようにみえるかもしれません。しかし、他の先進国では税金が70%、80%以上の国も珍しくありません。たばこの価格も国や州によって1000円程度する場合もあります。そう考えると、日本のたばこの値段は決して高いとは言えません。
禁煙の啓発などによって高校生の喫煙率が低下し、近年は大学に入ってからたばこを吸い始める「喫煙大学デビュー」の問題が指摘されています。このため、各大学ではキャンパス内を禁煙にするなど、大学デビューを食い止める取り組みが進められています。
喫煙はニコチン依存症ですから、いったん始めるとやめるのは容易ではありません。まずは、吸い始めさせないことが重要です。(田村良彦)
(2014年5月22日 読売新聞)
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