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東京五輪:スモークフリーでおもてなし-受動喫煙防止条例整備へ (1)

東京五輪:スモークフリーでおもてなし-受動喫煙防止条例整備へ (1)

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NAOJ5B6JTSEE01.html#

8月22日(ブルームバーグ):1964年の東京五輪の際に当時の日本専売公社が販売した寄付金付きたばこ「オリンピアス」。一箱10円分の寄付が定価に上乗せされ、目標額3億円を達成した。それから50年。舛添要一東京都知事は2020年の東京五輪に向けて、受動喫煙を防止する条例の整備に意欲を見せている。    

舛添知事は17日、フジテレビの番組「新報道2001」で、飲食店などでの喫煙禁止について、「議会できちんと条例を通せばできるから、やりたいと思う」と発言した。日本禁煙学会の作田学理事長によると、9月上旬には、日本医師会など約130団体が都に対し、東京五輪に向けて受動喫煙防止条例を導入するよう要請する予定。    

国際オリンピック委員会(IOC)は1988年に禁煙方針を採択。会場の禁煙化とたばこ産業のスポンサーシップを拒否してきた。日本禁煙学会によると、92年のバルセロナ以降の夏季五輪開催国はすべて罰則付の受動喫煙を防止する法律や条例を整備。たばこの煙のない「スモークフリー」の環境整備が今や五輪開催都市の常識となっている。    

初めて日本を訪れたというロンドン在住のアナリスト、ギャレス・ハムさん(30)は7月、「日本のように清潔で近代的な国でたばこの規制がこれほど緩やかとは驚いた。レストランでたばこを吸うなんて、ヨーロッパでは見られない光景だ」と話した。喫煙について「僕の学生時代は格好いいというイメージが持たれていたけど、今は不健康なイメージ」とも指摘した。    

受動喫煙    

ジョンソン・エンド・ジョンソンが4月、主に屋内で働いている男女8000人を対象に実施した調査によると、五輪開催にあたり東京も受動喫煙防止条例を制定することに賛成している人は、非喫煙者で73%、喫煙者で29%。受動喫煙による周りの人への健康への影響を心配していると答えた人は非喫煙者で63%、喫煙者でも38%に上った。     

作田氏らは、9月の都への要請では分煙対策だけでは不十分として全面禁煙を求める方針。国会では、自民党の尾辻秀久元厚労相や前神奈川県知事でみんなの党の松沢成文参院議員らが受動喫煙防止法の制定を目指す議員連盟も発足させる予定だ。     

喫煙者のそばにいることで意図せずしてたばこの煙を吸い込んでしまう受動喫煙。厚生労働省のウェブサイトによると、ニコチンなどの発がん物質を含む「タール」は喫煙者が自ら吸い込む「主流煙」より、たばこの点火部から発生する「副流煙」に3.4倍多く含まれている。    

国立がん研究センターなどが10年に公表したデータでは、日本における受動喫煙による死亡者数は年間約6800人で、うち女性は約4600人。また、「タバコアトラス」によると、11年には世界で約60万人が受動喫煙により死亡し、うち75%を女性と子供が占めた。    

東京都    

都庁のウェブサイトによると、都民の喫煙率は01年は32%だったが、10年には20.3%となり、減少傾向にある。10年では、女性は11.4%、男性は30.3%。男女合わせた10年の全国平均は21.2%だった。    

舛添都知事は22日の記者会見で、五輪は「スポーツの祭典であり、全世界の人々の健康の増進も大きな目標の一つ」と指摘。受動喫煙について、「世界保健機関(WHO)もIOCも全力を挙げて取り組んでいる課題。私も厚生労働大臣として取り組んできた。2020年を前に、本格的に受動喫煙による害を防ぐことが大事だ」と語った。    

11年10月に施行された東京都受動喫煙防止ガイドラインは、レストランなど公共の場所における原則禁煙の方針を定めているが、罰則はない。都内の飲食店4000店を対象に実施した昨年度の都の調査によると、全面禁煙を実施していると答えたのは21.3%、分煙は21.1%。「条例等で一律の規制はしないでほしい」と要望したのは36.7%だった。    

神奈川県と兵庫県は全国に先駆けて受動喫煙防止条例を制定。事業者らに対策を取る義務を課しており、違反した場合の罰則規定もあるがが、適用事例はない。    

財務省    

通常国会で成立した改正労働安全衛生法は、職場などでの受動喫煙について、事業者に対して「適切な措置を講ずるよう努めるものとする」とする努力規定を定めている。同法案は、民主党政権時代の11年にも提出されており、「措置を講じなければならない」と義務規定を定めていたが、12年の衆院解散で廃案となった。    

民主党の長妻昭元厚労相は6月の取材に対し、義務が努力規定になった理由について「利害関係者の政治力があった」との見解を示した。利害関係者として葉たばこ農家や小売店を挙げ、「たばこで生計を立てている人の声は大きく、票田にもなる。受動喫煙防止対策の推進派は献金したり、パーティー券を買ったりしない」と話した。    

日本たばこ産業(JT)株式会社法は、政府が3分の1を超える同社の株式を保有するよう定めている。その理由について、財務省は取材に対し、国内葉たばこ農家の保護を目的に農産物の全量買い入れをJTに義務付けているためと答えた。    

元財務官僚で嘉悦大経済学部の高橋洋一教授は、「財務省はJT株を保有することで天下り先を確保している。天下りを守るためにいつも健康規制に反対する」と話し、JTの完全民営化を訴えた。JTの現会長は丹呉泰健元財務事務次官。    

JTは取材に対し、「グローバル企業として成長していくためには、競合他社や他の企業と同等の条件になることは自然の姿と考える」としつつ、政府の株式保有については、法律で定められているため「コメントする立場にない」と電子メールで回答した。    

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 高橋舞子

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