生理直後にたばこを吸いたくてたまらなくなる?
生理直後にたばこを吸いたくてたまらなくなる?女性は男性と比べ禁煙困難の可能性
脳研究から「喫煙願望と月経周期に関連あり
http://www.mededge.jp/a/resp/6996
「女性は男性よりも禁煙しにくい」
女性の生理周期がニコチン願望に影響があるようだ。
脳の活性化も調べる
カナダ・モントリオール大学を含む研究グループが女性の月経周期と喫煙願望との関連についての研究を行い、中東系の精神医学の国際誌、サイカイアトリー・ジャーナル誌オンライン版で2014年11月に報告したものだ。
研究グループは1日に15本以上たばこを吸う34人の男女を対象に調査。
アンケート、および被験者に喫煙願望を起こさせるような写真を見せながらMRIを撮影して脳の解析を進めた。
女性は生理直後に当たる卵胞期の初めと生理前の黄体期の中ごろの2回撮影した。
女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンのレベルも測っている。
さらに、人を対象とした研究と並行して、マウスを用いた実験からニコチン依存の性差も検証した。
「ニコチン依存に陥りやすい」
その結果、女性は男性と比較して禁煙がより困難という結果が浮かび上がってきた。
原因は性ホルモンだ。
人と動物の喫煙願望について調べた結果として、女性においてだけ、生理周期の影響で喫煙願望が大きく変化すると見られた。
喫煙願望が強くなるのは、生理後の卵胞期の初めだ。このときにエストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの減少によって、たばこを吸いたいという気持ちが強まっていた。
反対に禁煙に適しているのは、月経前に当たる排卵後の黄体期と見られた。
女性のほうがニコチン依存症に陥りやすいと研究グループは説明している。
ホルモンの解明が禁煙を簡単に
研究グループによると、神経回路の活性化に関する限り、男女で有意差はない。
しかし、女性では月経周期でホルモンの影響を受けて神経回路の活性化のパターンが変化する。
頭のそれぞれ前面、側面、上部に当たる「前頭葉」「側頭葉」「頭頂皮質」のいくつかの領域が卵胞期で活性化しているのを確認。黄体期では右側の海馬の活性化が限定されていると分かった。
今後、依存症を左右する脳のメカニズムをより明らかにすれば、禁煙も勧めやすくなるかもしれない。
文献情報
Mendrek A et al. Sex differences and menstrual cycle phase-dependent modulation of craving for cigarette: an FMRI pilot study. Psychiatry J. 2014;2014:723632.
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