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【喫煙を考える】受動喫煙防止対策条例見送り 多数の反対署名も影響 北海道美唄市

【喫煙を考える】受動喫煙防止対策条例見送り 多数の反対署名も影響 北海道美唄市

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150319/dms1503191205012-n1.htm

2015.03.19

 受動喫煙防止対策条例の施行を目指していた北海道美唄(びばい)市が、開会中の定例議会への上程を見送ることを決めた。

 市は2月24日、官公庁や学校、医療機関などの公共施設は「全面禁煙」、不特定多数が利用する施設は「原則禁煙」か「分煙」、ただし罰則規定は設けないといった内容の素案をまとめ、3月15日までパブコメ(パブリックコメント)を募集。その結果を受け、20日の議会最終日までに条例案を上程する予定だった。もし施行されれば、神奈川県、兵庫県に次ぐ3例目で、市町村レベルでは全国初として注目されていたが、施行には至らなかった。

 美唄市は2013年3月、市民の健康づくりの行動指針として「びばいヘルシーライフ21」を策定。その一環として昨年12月1日に受動喫煙防止対策のガイドラインを制定した。それからわずか2カ月での条例化の動きに首をかしげる向きも多かったようだ。

 岩見沢地方たばこ販売協同組合などは、「ガイドラインの存在すら市民や事業者に浸透していないのに、条例化を目指すことには賛同できない」として、反対署名運動を実施。2万3000人足らずの市民から616人(うち市外20人)の署名を得て16日には組合専務理事の田子敏夫氏が意見書とともに美唄市議会の内馬場克康議長に提出していた。

 パブコメも最終的に500件を超え、賛成意見が約8割を占めたという。通常は10件に満たないことがほとんどという同市のパブコメでは異例の多さだった。署名がそれをさらに上回ったことが上程見送りに少なからず影響したのは確かなようだ。

 署名提出の席上で内馬場議長も、「600を超える反対署名は重く受け止める必要がある。こうした市民の声を反映した慎重な検討をすべき」とコメントしていた。

 本紙の取材でも、市の公共施設や飲食店などは以前から分煙や喫煙マナーの向上などに努めており、規制が緩く罰則もない「努力条例、精神条例」の必要性には違和感を覚えずにいられなかった。今回の見送りは、さらに市民の声に耳を傾け慎重に検討していくためにも、賢明な判断だったといえるだろう。

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