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世界の喫煙率、2025年の目標達成は困難か―東京大などが予測

世界の喫煙率、2025年の目標達成は困難か―東京大などが予測

2015年03月24日 06:00 公開

 喫煙は数多くの病気になる危険性を高めることがさまざまな研究から分かっている。こうした中、世界保健機関(WHO)は2003年、たばこ規制枠組条約(たばこの規制に関する世界保健機関枠組み条約)を採択。この条約はこれまで、日本を含む180カ国・地域で批准されており、WHO加盟国はこの条約に基づいて「2025年までに喫煙を2010年の数値より3割減らす」との目標を掲げている。ところが、東京大学大学院医学系研究科の渋谷健司教授(国際保健政策学)らの研究グループによると、現時点ではその目標が達成される見込みは低いことが分かったという。詳細は、3月14日付の英医学誌「ランセット」(2015; 385: 966-976)に掲載されている。

170カ国以上のデータを分析

 WHOの推計によると、たばこが原因で死亡する人は全世界で1年間に600万人にも上り、このまま放置すれば30年後には年間1,000万人を超えるという。また現在、世界には10億人の喫煙者がいるとされているが、その80%は低~中所得国で暮らしている。喫煙者の7割がニコチン依存症であるといわれており、健康を害すると分かっていてもなかなか禁煙ができないのは、依存症によるものとされている。

 今回の研究は、渋谷教授らとWHO、オーストラリア・ニューカッスル大学との共同で行われた。WHOが持つたばこに関する男性のデータ173カ国分、女性のデータ178カ国分の1990~2010年の動向について解析。その将来を予測した。

目標達成できるのは男性で37カ国のみ

 その結果、世界全体で見ると喫煙率は少しずつ低下しており、2000年から2010年の間に男性の喫煙率は125カ国(72%)、女性は156カ国(88%)で低下していた。

 今後もこの傾向が続くと仮定すると、「2025年までに喫煙を2010年の数値より3割減らす」が達成できるのは、男性で37カ国(21%)、女性で88カ国(49%)にとどまると推測された。

 さらに、アフリカや地中海頭部沿岸の国々などは喫煙率が逆に上昇しており、2025年時点での喫煙人口は世界で11億人に達する恐れがあるという。

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