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NRTって何だ?~60%を超える確率で禁煙が可能~

NRTって何だ?~60%を超える確率で禁煙が可能~

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150330-00000000-fukkou-hlth

nikkei BPnet 3月30日(月)7時50分配信

 NRTとは何の略号?と聞かれたら多くの人は「成田国際空港」と答えると思います。世界中の空港はアルファベット3文字で表現できるようになっています。でもNRTが成田空港とは限りません。医療分野にもあるのです。Nicotine Replacement Therapy(ニコチン置換療法)です。

■まずは誓約書にサイン

 タバコの害について記事を書くと、非喫煙者は熱心に読んでくれますが、肝心の喫煙者は絶対に読んでくれません。今更タバコの害を教えてもらっても無意味で、有害性についてはよく知っているからということなのでしょう。でもチャンスがあったら止めようと思っている人は多いと思います。今回はタバコの止め方のひとつ、ニコチン貼付剤による方法をご説明します。

 前提として禁煙しようとする強い意思があることが必要です。ニコチン依存症になっている人に、ニコチンの血中濃度を少しづつ減少させて身体を慣らしていく方法ですから、ちょっとは我慢を重ねながら依存度を減らしていく計画性が求められます。

 まず自分は禁煙するという意思表示として誓約書にサインをしてもらいます。失敗したらはずかしいというプライドをくすぐるためです。

 医師による問診と診察、心電図などの諸検査データの確認の後、処方箋が発行されます。ニコチン貼付剤はニコチン含有量により種々の大きさがあり、医師が初回量と基準に従った使い方を決めてくれます。

■健康保険を使っての治療も可能

 一般には健康保険はききませんが、健康保険を使って治療を受けるには,禁煙希望者については以下の4条件を満たすことが前提です。

1.ニコチン依存症に係るスクリーニングテスト(TDS Tobacco Dependence Screener:参考資料の表参照)でニコチン依存症と診断されている。

2.喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上ある。

3.ただちに禁煙することを希望している。

4.「禁煙治療のための標準手引書」に則った禁煙治療プログラムについて説明を受け,当該プログラムへの参加を文書にて同意する、となっています。

 さらにこの治療を行う医療機関の基準も決められています。これを施設基準といいます。(a)禁煙治療を行なっている旨を医療機関内に掲示している (b) 禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務している (c) 禁煙治療に係わる専任の看護職員を1名以上配置している (c) 呼気一酸化炭素濃度測定器を備えている (d) 医療機関の構内が禁煙である、となっています。

 成功率は60%位、85%以上の好成績の場合も多く報告されています。

 健康保険を利用して治療する場合に、喫煙指数200以上という条件はよくないという説があります。200以上ということは1日20本で10年以上ということになりますので、多くの若い喫煙者は除外されてしまうことになり、せっかく決心した禁煙チャンスを逃してしまう可能性があるということです。

(カラダに嬉しい豆知識「Dr.鷲崎の健康エビデンス」)

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