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たばこは脳にも悪影響、認知や運動機能の低下に

たばこは脳にも悪影響、認知や運動機能の低下に

http://www.sankei.com/west/news/150404/wst1504040009-n1.html

2015.4.4 10:00更新

 外来診察をしていますと、「特に症状はないけれど友達が脳梗塞(こうそく)になった」「父が脳出血を起こした年齢に自分も到達した」など、心配になって検査を希望される方に出会うことは少なくありません。

 この連載でも高血圧、糖尿病などの「生活習慣病」の恐ろしさは常々申し上げており、今回のテーマの「喫煙」も取り上げてきました。喫煙の体への影響はよく知られるようになりましたが、それでも脳の心配をしている割にはその辺りの認識が薄く、脳の検査を希望して来られた患者さんで、ヘビースモーカーの方も多くおられます。

 たばこの煙には多くの有害物質が含まれており、血管を収縮させて動脈硬化を進行させます。もちろん脳だけではなく、心臓や手足の血管にも影響しますし、肺がんや肺気腫の発症にも大きくかかわり、「百害あって一利なし」といえるでしょう。

 リラックス効果を強調される方もおられますが、リラックスを得る方法は世の中にはたくさんあります。あえて危険な喫煙を選ぶ必要はないのではないでしょうか。

 最近、脳に及ぼす喫煙の悪影響について新たな報告がありました。カナダ・モントリオールの大学病院からの報告ですが、喫煙者と非喫煙者の脳のMRIを比較すると、喫煙者の大脳皮質の厚みが明らかに薄いことが分かりました。500人以上のデータを解析しており、かなり信憑(しんぴょう)性の高いものだと思われます。

 大脳は、表面に近い「皮質」とその下の「髄質」に分けられます。皮質には手足の動き、言語機能、認知機能、情動など非常に大切な機能が集中しております。この部分が薄くなるということは、認知機能の低下や運動機能の低下が起こりやすいということです。

 禁煙により回復はするものの、回復までに時間が必要で、完全に元に戻すのは困難なようです。できるだけ早く禁煙を行い、現在喫煙していない人は吸わないようにすることが大切です。

 長年喫煙してきた方はニコチン中毒に陥っている場合が多く、ご自身の意思だけでたばこを断つことは難しい場合が多いようです。それをサポートするために、「ニコチンパッチ」などを使用した禁煙方法があります。各病院で禁煙外来も多く設置されており、それを利用するのが一番確実でしょう。

 脳に限らず体を健全に保つためには「生活習慣病」の管理だけではなく、喫煙などの「生活習慣」を正すことが非常に大切です。今回お酒には多く触れませんでしたが、飲酒も程々にしてくださいね。(済生会和歌山病院 脳神経外科 医長 三木潤一郎)

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