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"喫煙者の方が心臓病の予後良い"の真偽を検証

"喫煙者の方が心臓病の予後良い"の真偽を検証

欧米35施設の1,800人を調査―国際共同研究

2015年04月10日 06:00 公開

http://kenko100.jp/articles/150410003424/

 喫煙が心臓病を招く要素なことは広く知られているが、心臓病の一つである冠動脈疾患に一度かかった喫煙者では、たばこを吸わない人よりも再発が低いなど経過が良いという「スモーカー・パラドックス」を示唆する研究が報告されている。オランダ・エラスムス医療センターのヤオジュン・チャン氏ら国際共同研究グループは、血管の流れを改善する手術を受けた冠動脈疾患患者1,800人を対象に「スモーカー・パラドックス」の真偽を検証し、3月24日発行の米国心臓病学会機関誌「Journal of the American College of Cardiology」(電子版)に報告した。

「スモーカー・パラドックス」は存在せず

 冠動脈疾患は、心臓に血液を送っている冠動脈の流れが悪くなる病気。狭心症や心筋梗塞などを引き起こし、最悪の場合は死に至る。それを防ぐ方法の一つとして、冠動脈の流れを良くする手術(冠血行再建術)があるが、この手術を受けた喫煙者では、たばこを吸わない人よりも冠動脈疾患を再発しにくく、心筋梗塞や死に至ることなどが少ないといわれている。これが「スモーカー・パラドックス」だ。

 チャン氏らは、欧米の85施設で行われた「SYNTAX(シンタックス)研究」から、冠血行再建術を受けた1,793人の研究スタート時、6カ月後、1年後、3年後、5年後の喫煙状況を確認。5年後の予後(死亡、心筋梗塞、脳卒中、再度の冠血行再建)との関係を調べた。

 その結果、喫煙者(5年通じては98人)では、5年後の予後が悪いリスクが非喫煙者(5年通じては1,374人)の1.38倍だった。予後の中でも死亡は喫煙に関係していなかったが、心筋梗塞になるリスクは2倍以上だった。

 チャン氏らは、これまでの研究結果との違いについて「多くの研究はスタート時の喫煙状況のみを調べていたが、今回は継続的に調査することで、喫煙を長期間続ける要素も盛り込んで解析できた」と解説。その結果、喫煙している人の予後が良いどころか逆に悪いことが示されたため、「スモーカーズ・パラドックスは存在しない」と結論づけている。

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