【乾坤一筆】ミスターはプロ3年目にたばこ断ち「いい影響なかった」
【乾坤一筆】ミスターはプロ3年目にたばこ断ち「いい影響なかった」 http://www.sanspo.com/baseball/news/20150401/gia15040111300001-n1.html
2015.4.1 11:30
4月になった。私事で恐縮だが、社会人30年目を迎えるにあたり、たばこをやめる決心をした。健康のためというより、何かを成し遂げることで自信を持ちたいから。いい年をしたおじさんの、自分への挑戦だ。
喫煙歴は36年。たばこをネタに原稿を書いたこともある。1996年の巨人宮崎キャンプを卓球の男子選手が訪れ、ウオーミングアップに参加したときのこと。合同練習の感想を聞きに行くと、第一声は「野球選手は、たばこを吸う人が多いんですね」だった。当時はほとんどの球場のベンチ裏に灰皿が置かれており、練習の合間に一服する姿に驚いたという。
「現役監督の喫煙率は約5割」という記事も書いた。喫煙が悪いという内容ではなく、「監督のストレス解消法の一つ」というもの。掲載から数日後、私のもとに禁煙運動を推進する団体から会報が送られてきた。記事を読んでもらえたのはうれしかったが、愛煙家の一人としては苦笑いするしかなかった。
野球は選手の喫煙率が高いスポーツだが、現役時代にたばこをやめた選手も多い。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督もその中の一人だ。「プロに入って3年目かな。バットを振っていて、いい影響はなかったからね」。
十数年前、巨人の主力選手と1年ぶりに夕食をともにしたとき、灰皿を渡すと「僕、やめたんですよ」と笑われた。「もういいかな、と思って。自分で決めたから、きっぱりと」。失礼ながら、その程度の理由でやめられたのかと、妙に感心したのを覚えている。
私もこれまで、やめる機会はあった。内臓疾患などで長期入院したときだ。しかし、当時の院内には喫煙所があり、歩けるようになると点滴スタンドを押して通った。一昨年は脳の動脈瘤(りゅう)がみつかり、血管内治療(コイル塞栓術)を受けた。医師から喫煙が血管にもたらす悪影響を説かれたが、人ごとのように聞いていた。
初めて取り組む禁煙。強い意志さえあればできると思っているから、昔ながらの禁煙グッズや、はやりの禁煙外来に頼るつもりはない。くれぐれも、エープリルフールだったと言い訳をしないようにしなければ…。
松尾 雅博(まつお・まさひろ)
1988年、産経新聞社入社。巨人などプロ野球、2000年シドニー五輪を担当。産経新聞運動部デスク、サンケイスポーツ運動部デスクを経て、14年から運動部編集委員。好物は辛子明太子。
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