最大の中毒問題は「たばこと酒」、初めて世界統計がまとまる
最大の中毒問題は「たばこと酒」、初めて世界統計がまとまる
「大きな害を及ぼしている」
2015年5月20日 10:30 AM
http://www.mededge.jp/a/psyc/13240
アルコール、たばこ、認可されていない精神薬、ギャンブルなど、依存症のデータを世界中から入手した初めての総括がまとまった。
最大の問題となる行動は、たばことアルコールの使用で、最も大きな害を及ぼしていると結論付けている。
依存症や中毒に関する専門誌アディクションの依頼を受けたオーストラリアのアデレード大学の研究者を中心とする国際的な共同研究グループが、同誌2015年6月号で報告した。
億単位でアルコールとたばこの依存
研究グループは依存症や中毒に関するデータを、世界保健機関(WHO)、国連薬物犯罪オフィス、アルバータ・ギャンブル研究所から収集した。
推計で、世界の成人人口の4.9%(2億4千万人)がアルコール使用による障害に苦しんでいる。男性人口の7.8%、女性人口の1.5%となっている。10万人当たり257障害調整生存年数(DALY)が喪失していると見積もられている。障害調整生存年数は、命が尽きるだけではなく、障害が起きて不自由になる年数も加えて人生の損失を計算する方法。
さらに、推計で、世界の成人の22.5%(10億人)が、たばこ製品を消費。男性人口の32.0%、女性人口の7.0%となる。1年間の男性の死亡の11%、女性の死亡の6%が、たばこが原因の死亡となっている。
ギャンブルは不明
「不認可の精神薬」。違法あるいは脱法のドラッグを指すが、これについては、大麻が最も普及している。麻薬を使う成人は世界で1500万人。その3.5%が大麻となっている。
普及率や依存症に関連する有害性のデータは調査の質が低いのは問題という。国や地域間の比較を行うのは難しいところもあるようだ。ギャンブル問題は、世界的な推計は不明となっている。
研究グループは、研究のデータを、アルコールの乱用とたばこの喫煙削減に使ってほしいと希望する。
今後、世界のデータの質を見直しながら問題の所在を明確にするのは重要だろう。
文献情報
Gowing LR et al.Global statistics on addictive behaviours: 2014 status report.Addiction. 2015;110:904-19.
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