禁煙外来の医師「強い意志は不要」 禁煙補助薬の高い効果を強調
禁煙外来の医師「強い意志は不要」 禁煙補助薬の高い効果を強調
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/medical/71953.html
(2015年5月29日午前6時50分)
31日は世界禁煙デー。福井県済生会病院(福井市)で20年以上禁煙外来を担当している小林弘明呼吸器外科部長は「禁煙治療成功の鍵は、強い意志よりも、きちんと薬を使い、治療プログラムに従うこと」と強調する。福井県民は禁煙外来の利用率が低いというデータもあり「禁煙外来をもっと知ってもらい、禁煙する人を増やしていきたい」と話す。
■低い認知度
たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれ、そのうち発がん物質は60種類以上に上る。影響は周りの人にも及び、小林部長は「一番の問題は、日本社会が『受動喫煙』に対する健康被害の認識が低いこと」。吸わない人にも健康被害について十分に啓発する必要があると訴える。たばこの煙は微小粒子状物質「PM2・5」だということや、母乳のニコチン濃度は母親の血中濃度の3倍に上ることなどもまだまだ知られていないと指摘する。
また、製薬会社が昨年、喫煙者に行った調査によると、本県の禁煙挑戦率は22%で全国で2番目に低く、禁煙の方法として禁煙外来を受診したのは2・3%だった。「福井は禁煙拡大の余地がある」と小林部長はみている。
■禁煙補助薬で楽に
では、たばこをやめるにはどうしたらよいのか。「まずは、やめたいと思うこと」。小林部長が禁煙外来を始めた当初は、患者は何らかの病気をきっかけに訪れる中高年男性がほとんどだった。2006年に医療保険が適用され、特別な病気でなくても禁煙を目指す人が増え、若者や女性の割合も増えてきたという。
ただ、禁煙が比較的容易にできる人は既に達成しており、今は“筋金入り”の喫煙者が多いとの見方だ。小林部長はそれでも「禁煙に強い意志は必要ない」ときっぱり。「禁煙補助薬を使えば楽にできるし、成功率も持続率も高い」と強調する。
同病院の禁煙外来は06年から、医師や看護師、保健師、管理栄養士、メディカルコーディネーターらによるチーム体制で取り組んでいる。患者の相談にきめ細かく対応し、禁煙成功後も半年、1年後といった定期的な来院を勧めている。
■人生観が変わる
同病院では、うつ病患者が禁煙治療に成功し、うつ病も改善した事例もあった。禁煙によって一時的にうつ症状が悪化する可能性があり、主治医と連携して治療を進めたという。小林部長は「禁煙で人生観が変わったという人もいる」と長い経験を振り返り、医療機関の禁煙外来の受診を呼びかけている。県内で医療保険を使って禁煙治療が受けられる医療機関は109施設。
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