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禁煙補助薬「成功率に高まり見られず」、米国カリフォルニア大学が報告

禁煙補助薬「成功率に高まり見られず」、米国カリフォルニア大学が報告
https://www.mededge.jp/a/resp/18627

販売承認後の禁煙成功率は4.7%

 禁煙補助薬のバレニクリン(一般名、商品名はチャンティックス、日本ではチャンピックス)は、禁煙の成功率の向上にうまく貢献できていないとこのたび報告されている。

たばこをやめるための薬

 米国、カリフォルニア大学サンディエゴ校のシュ・シュウホン氏らの研究グループが、たばこの問題を扱う国際誌であるタバコ・コントロール誌において2015年8月17日に報告している。

 バレニクリンは2006年に販売承認された新たな禁煙補助薬。

 研究グループは、バレニクリンの市販前である2003年と市販後の2010年から2011年にかけて行われた、たばこを吸う18歳以上を対象とした調査結果を分析した。

禁煙成功率の伸びは0.2%

 過去12カ月に禁煙を試みた3万9千人からの回答の結果、禁煙を試みた人のうち禁煙補助薬による治療を受けていた人は、2003年には28.7%、2010年から2011年には31.1%となり、2.4%増えていた。

 禁煙効果に高まりは見られず、少なくとも1年間禁煙に成功した人は、2003年には4.5%、2010年から2011年には4.7%止まりだった。

 研究者によると、バレニクリンは禁煙の成功に大きな効果を挙げていないが、パッチのようなその他の治療法に代わりつつあると指摘する。

より多くの人に禁煙は必要

 米国疾病対策センター(CDC)によると、米国の18歳以上の喫煙率はおよそ20%という。たばこを吸う率が若い世代でこのまま推移すると、18歳以下の13人に1人はたばこに関連した病気によって若くして死亡すると予測されるという。世界的には、たばこによって年間およそ600万人が亡くなっているとされる。

 「バレニクリンは禁煙に効果は出ているものの、より多くの人を禁煙させない限り、米国においてたばこによる病気の解決策になることはないだろう」と研究グループは説明する。

 薬の選択肢も広げつつも、意志は大切。

文献情報

Smoking Cessation Drug Not Boosting Number of Smokers Who Quit.

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