電子たばこ、禁煙補助で人気高まる
電子たばこ、禁煙補助で人気高まる
http://jp.wsj.com/articles/SB10631682899670053547704581320942199255616
保健当局は新世代の「ニコチン中毒」に懸念も
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米連邦当局が米国の成人男女を対象に電子たばこの利用に関して行った調査で、たばこをやめようとする喫煙者および元喫煙者の間で電子たばこの人気が高まっていることが判明した。
米国立衛生統計センター(NCHS)が成人3万6000人ほどをサンプルとした調査によると、過去1年間に禁煙を試みた喫煙者が電子たばこを利用する可能性は、やめようとしなかった喫煙者のほぼ2倍に達するという。電子たばことは、液体ニコチンを過熱して出た蒸気を吸って楽しむもの。
喫煙者が高い比率で電子たばこを吸っていることは、禁煙補助の目的で電子たばこを試しているという定量的証拠が、米国で初めていくらか提供されたことになる。これは電子たばこの支持者が数年にわたり主張してきたことだが、これまでは公式な研究結果の後ろ盾がなかった。
電子たばこに注目が集まったのは、喫煙に対する風当たりの強まりや有害製品を生産しているとの訴訟にたばこ会社が苦慮していたときだ。大半の研究者は電子たばこが従来のたばこよりも害が少ないと考えている。従来のたばこは、火を付けると60種類以上の発がん性物質を放出する。一方、保健当局は電子たばこがニコチン中毒の新たな世代を作る可能性があるとして懸念を表明してきた。
28日に発表されたNCHSの調査をみると、保健当局の懸念にはそれなりの根拠があるようだ。過去に喫煙歴のない18歳から24歳までの若者のうち、電子たばこを試したことがあると答えた割合が約10%に上ったのだ。この数字は25~44歳で3.5%、45~65歳で1.2%だった。
若い成人が電子たばこを試す意志を持つという今回の調査結果は、米疾病管理予防センター(CDC)が4月に実施した調査結果に通じるものがある。CDCの調査によると、10代では従来のたばこよりも電子たばこを吸う人の方が多いという結果が初めて示された。CDCは2万人以上の高校生と中学生を調査対象とし、13.4%が電子たばこ、9.2%が従来のたばこを吸っていることを突き止めた。
NCHSの調査では、電子たばこを試したことがある成人の数は全体の12.6%だった。
現在喫煙している人の約半数、最近禁煙した人の55%が電子たばこを試したと報告されている。喫煙歴のない成人で電子たばこを試したことがあると答えたのは3.2%にすぎなかった。
調査対象となった成人のうち、男性の約14%、女性の約11%が電子たばこを吸ったことがあると答えた。また、電子たばこを試したことのあるネイティブ・アメリカンは約20%、白人は15%、ヒスパニック系は8.6%、黒人は7%、アジア系は6%だった。
米銀大手ウェルズ・ファーゴによると、8年ほど前に市場投入された電子たばこは米国で25億ドル(約3000億円)の産業に成長し、今年の売上高は35億ドルを超えると見積もられている。
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