金山一彦さんが発症した「椎骨動脈解離」、なりやすいのはどんな人?
金山一彦さんが発症した「椎骨動脈解離」、なりやすいのはどんな人?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151110-00010007-mocosuku-hlth
11月10日(火)18時10分配信
今月7日、俳優の金山一彦さんが自身のブログで、頭痛により病院でMRIやCTスキャンなどの検査を受け、椎骨動脈解離とみられる症状があったことを報告しました。椎骨動脈解離とは、頚椎の左右を通って脳に血液を送っている動脈の壁の一部が裂けてしまう疾患。金山さんは、解離については「もう治ってるようで」とも報告していますが、この疾患は動脈瘤破裂からクモ膜下出血といった重篤な状態を引き起こす可能性があることから、ブログでは検査の必要性についても呼びかけていました。
この椎骨動脈解離、発症の原因についてははっきりしたことはわからないとされていますが、カイロプラクティックや整体の施術で急激に首をひねったり、スポーツなどで急に首を曲げたり、あるいは事故で頭をぶつけたりした際に起こすことがあるともいわれています。
また、椎骨動脈解離の特徴的な症状としては、首の後ろや左右どちらか(あるいは両方)の後頭部の激しい頭痛があり、金山さんの妻・大渕愛子弁護士も、自身のブログに、金山さんが「首が痛いな」といったあとで頭痛を訴え、その場にしゃがみこんでしまったことを記しています。
また、上記のような症状が疑われる場合は、専門の医療機関で頭部のCTやMRI、MRA(MRIで脳血管を写す撮り方)といった検査を受けることが必要となりますが、脳の血管に関するさまざまな疾患を早期発見する方法としては、近年注目を集めている「脳ドック」があります。これは、全身くまなく検査を行う通常の人間ドックに比べて、脳だけに絞って行うので時間や費用の面で手軽に受けられるというメリットがあります。
脳ドックは中高年になったら受けるのが望ましいといわれていますが、下記の事項にあてはまる人は、本人に自覚症状のないミリ単位の脳血管の出血や梗塞、腫瘍といった病気の兆候を発見するためにも、脳ドックを定期的に受けておくと安心でしょう。
・頭痛や手足のしびれ、めまいがある
・タバコをよく吸う
・肥満傾向がある
・お酒をよく飲む
・食生活の偏りがある
・ストレスが多い
・家族に脳卒中を患った人がいる
また、金山さんのように頭痛や首の痛みの自覚症状がある人は、脳ドックの際に、頸部のMRAで首の血管についても検査しておくとよいでしょう。MRAは、血管に造影剤を注入しなくても、血管を立体的に映し出すことができる機器で、検査を受けやすいのが利点です。
厚生労働省が発表している「人口動態統計」(2014年)によると、脳卒中(脳梗塞・脳出血・クモ膜下出血)などの脳血管疾患は、日本人の死因の第4位とのことです。また、こうした脳の病気は、後遺症が残ったり、死に至るケースも多く、「発症してからでは遅い」ともいわれています。そのため、いかに発症を未然に防ぐかが課題となりますが、こうした点から考えても、脳ドックは脳血管に関する疾患の有効な予防手段といえるかもしれません。
また、脳血管疾患や、がん、糖尿病といった生活習慣病においては、早期発見とともに、食事の偏りや運動不足、喫煙・飲酒といった生活習慣を改善することも、予防のためには重要とされています。
自分でできる日常の予防習慣をベースに、専門機関による検査を上手に利用していくことが、病気を防ぐためには大切です。
監修:坂本 忍(医学博士、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ)
<参考>
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151107-00000136-spnannex-ent
(金山和彦、頭痛の原因が「解離と判明」 スポニチアネックス)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei14/dl/10_h6.pdf
(人口動態統計 性別にみた死因順位 厚生労働省)
http://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/vertebral_artery/#
(椎骨動脈解離 恩賜財団 済生会)
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