職場の副流煙が気になる
職場の副流煙が気になる
http://www.asahi.com/apital/articles/SDI201601267746.html
2016年1月26日07時00分
50代女性。昼食の時間帯に和食店で1日4時間、週5日働いています。喫煙が自由にできることから、店内はたばこの煙が充満しており、副流煙で病気にならないか心配です。市販のマスクは付けていますが気休めとも聞きます。どうすればいいでしょうか。(東京都・T)
【答える人】高橋裕子(たかはし・ゆうこ)さん 奈良女子大学保健管理センター教授(内科)=奈良市
喫煙者本人より周囲への害が大きいとも聞きます。
喫煙者の吸う「主流煙」はフィルターを通して吸い込まれます。これに対して周囲の人はたばこの先端から立ち上る「副流煙」と、喫煙者からはき出された「呼出煙」を受動喫煙します。副流煙には多くの有害物質が含まれます。ニコチンは主流煙に含まれる量を1とした場合、その2.8倍、タールは3.4倍、一酸化炭素は4.7倍あります。発がん性物質の一つ、ジメチルニトロソアミンは主流煙と比べ最大129倍とされています。
受動喫煙でどんな健康被害が考えられますか。
すぐに起こることは、目や鼻の粘膜を刺激し、せき込んだり、涙が出たりすることです。長期的には、家庭や職場などの受動喫煙により、肺がんや乳がん、心筋梗塞などのリスクが増えるとする研究結果が国内外で報告されています。
マスクの効果は。
たばこの煙には有害物質を含んだ微小粒子状物質(PM2.5)がたくさん含まれています。一酸化炭素のような気体もあります。市販のマスクでは、素通りする成分が多いと考えてください。
店内はどのような状態だと考えられますか。
喫煙可能な飲食店のPM2.5を測定すると、1立方メートル当たり数百マイクログラムにもなるとの報告があります。国の環境基準が1日平均で1立方メートル当たり35マイクログラム以下なので、大きく超えます。
対策はありますか。
受動喫煙に対してできるのは逃げることだけです。店主と話し合い、店内の禁煙化に応じないようなら辞めることをお勧めします。
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