脳や心臓にも悪いたばこ 春に心機一転、禁煙してみては
脳や心臓にも悪いたばこ 春に心機一転、禁煙してみては
http://www.sankei.com/west/news/161213/wst1612130003-n1.html
2016.4.16 05:00更新
ことあるごとに私はこの場をお借りして「たばこ」の害悪についてお話ししております。たばこが良くない証明がまた一つ増えそうなのでお伝えしたいと思います。
たばこは肺がん、肺気腫などの呼吸器系の病気はもちろんですが、脳や心臓といった重要な血管にも多大な影響を及ぼします。脳梗塞や脳出血の大きな要因の一つであり、脳を守るためには避けるべき生活習慣です。腰椎椎間板にも悪影響があることが以前から知られており、腰痛で悩んでいるかたや背骨のゆがみがある方にも禁煙をお勧めしています。
一方で、頚椎については同じ背骨でありながら科学的な証明がなされていませんでした。しかし最近、アメリカでの研究でその関連性が指摘され、カリフォルニアで開催された学会で発表されました。182人の頚椎CTを比較したところ、非喫煙者と比較して喫煙者で明らかに椎間板変性が進行していたことが分かりました。
椎間板は脊椎への衝撃を吸収する役割を担っています。即座に生命に関わるものではありませんが、負荷をかけすぎると肩こりや首の痛みなどを引き起こす原因になり、日常生活に影響を及ぼすようになってきます。骨は加齢に伴う水分の減少で縮小して硬くなり、年齢とともに弱ってきます。これが神経に向かって飛び出すと椎間板ヘルニアをおこします。
椎間板ヘルニアを発症すると、手指のしびれや痛み、運動障害をきたしてしまいます。ひどいものになれば足にも影響を及ぼし、健全な生活をすることができなくなってしまいます。
もともと椎間板は血流の乏しい部分です。たばこは血管を収縮させますので乏しい血流に拍車をかけてしまいます。もちろんたばこ以外にも飲酒、食生活、運動などさまざまな要素がありますので、たばこをやめたからといって即座に首の痛みやコリが治るわけではありませんが、症状の悪化に拍車をかけている可能性は非常に高いと思われます。
桜の季節を迎えて心機一転、喫煙習慣のある方は禁煙してみませんか?必ず体調の好転に繋がるはずです。転勤や就職など、生活のリズムや環境が変わるときは、新しいことを始める良いきっかけになります。禁煙にぜひトライしてください。
(済生会和歌山病院 脳神経外科 医長 三木潤一郎)
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