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たばこの販売やめるスーパー 「健康のため」社会性を意識

たばこの販売やめるスーパー 「健康のため」社会性を意識

2016.6.9 13:30

 静岡県内でチェーン展開するスーパーが4月、「健康を害する」としてたばこの販売をやめた。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて国は、受動喫煙防止対策の強化を検討しており、一部の小売店でたばこの取り扱いを控える動きが出てきている。(平沢裕子) 売り上げ年9千万円  たばこの販売をやめたのは、静岡県内中部エリアを中心に33店舗を展開するスーパー、静鉄ストア(静岡市)。もともと30店舗にたばこの自動販売機を設置し、平成23年度には年間約9千万円の売り上げがあった。26年に店舗改装に伴い1店舗で自販機を撤去したのをきっかけに、27年に7店舗、今年3月末には全店舗で撤去した。  厚生労働省によると、たばこは、がんや心筋梗塞など多くの病気の原因となっている。同社は「安心・安全・健康・美味(おい)しい・楽しい」を企業理念としており、人事・総務部の担当者は「健康をモットーに掲げる会社として、健康に害を及ぼすたばこは販売すべきではないと判断した」と説明する。  30年以上も前に販売をやめた会社もある。千葉県内で8店舗を展開する京北スーパー(千葉県柏市)は、昭和59年にたばこの害が社会問題となったことをきっかけに中止。経営企画開発部の小金井通裕(ゆきひろ)部長は「お客さまの健康のため、と社長が決断した。ただ、当時は国の事業としてたばこを販売し、その税収が期待されていただけに、販売中止にはお叱りの声の方が多かった」と話す。 目標は喫煙率12%  平成22年に販売をやめた東北大学生活協同組合(仙台市)は、大学の「キャンパス内全面禁煙宣言」を受け、理事会が全会一致で決めた。当時、理事会室長だった小野塚一郎さんは「たばこ販売をめぐっては長い間、賛否両論あった。販売中止によって、健康で安全なキャンパスライフを支えることに貢献できたと思う」と話す。  厚労省によると、26年の喫煙率は19・6%(男性32・2%、女性8・5%)。24年のがん対策推進基本計画では、34年度までに成人の喫煙率を12%に下げ、未成年者の喫煙をなくすことを目標としている。  タバコ問題情報センター代表理事の渡辺文学(ぶんがく)さんは「取扱店舗が減れば、喫煙率の減少につながる」と期待を寄せる。 喫煙のニーズも  ただ、一部店舗で販売をやめても、吸いたい人は別の店でたばこを買うので、喫煙率減少につながらないとの声もある。喫煙歴30年以上という愛煙家の男性(55)=東京都板橋区=は、「自動販売機が減ったり、喫煙所が少なくなったりして苦労するが、今のところ、たばこをやめる気はない」と説明する。  東北大では生協が販売をやめた後、しばらくの間、キャンパス内のコンビニエンスストアが販売を継続(現在は販売中止)し、「売り上げは相当なものになったらしい」(同大関係者)。

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