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がん大国白書 . 第2部 検証・基本法10年/5 遅れる受動喫煙対策

がん大国白書 . 第2部 検証・基本法10年/5 遅れる受動喫煙対策

http://mainichi.jp/articles/20160726/ddm/002/040/030000c

毎日新聞

2016年7月26日 東京朝刊

 達成が困難になった理由の一つが、喫煙率の下げ止まりだ。がん発症の原因の中でも、たばこの影響は国内外のデータから明らかだ。厚生労働省によると、05年の日本人のすべてのがんのうち喫煙(過去のものも含む)によると考えられるのは男性39%、女性5%と推計された。さらに、他人のたばこの煙を吸う受動喫煙でも、がんになる危険性は上がる。

     政府は、07年に策定した最初のがん対策推進基本計画にたばこ対策の推進を盛り込んだものの数値目標は入らなかった。12年からの現計画で、成人の喫煙率を計画策定時の20・7%から、22年度までに12%へ下げる数値目標が掲げられた。だが、たばこ規制の推進を訴える望月友美子・元国立がん研究センターたばこ政策研究部長は「このままでは目標達成が危うい」と危機感を募らせる。

     日本の喫煙率は、たばこの値段を1箱当たり約110円引き上げた10年に19・5%まで下がったが、その後は横ばい状態だ。厚労省によると、たばこをやめたいと思う人の割合も、たばこが値上げされた10年が37・6%だったが、14年は29・2%と8・4ポイントも減っている。

     深刻なのは受動喫煙対策の遅れだ。国に法律がなく、受動喫煙を罰則付きの条例で規制しているのは神奈川、兵庫の2県のみ。20年の五輪開催都市の東京都は、売り上げへの影響を懸念する反対を受け、飲食店などを含む屋内施設の全面禁煙を実現するための条例を持たない。このまま規制ができなければ、国際オリンピック委員会などが「スモークフリー五輪」を掲げた10年以降、規制を持たない初の開催都市になる恐れがある。

     死亡率低減の目標達成が困難と分かった際、国のがん対策推進協議会では「このまま(喫煙率を)減らそうと言っているだけでは実際の低下に結びつかない。受動喫煙の法規制などを実施しないと達成は無理だ」との意見が相次いだ。たばこ政策に詳しい公益社団法人「地域医療振興協会」の中村正和・ヘルスプロモーション研究センター長は「国は10年のたばこ値上げ以来、効果的なたばこ対策を実施していない。たばこ産業の発展や財政収入の確保を目標に掲げるたばこ事業法が存在する限り、政府は徹底した対策を進められない。この法律を改廃し、実効性のある対策を進めるべきだ。それは、東京五輪の良き遺産にもなる」と話す。=つづく


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