受動喫煙防止条例
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医師会が効果検証 美唄市、道内初きょう施行 病院と連携、健康調査 /北海道
http://mainichi.jp/articles/20160701/ddl/k01/010/143000c
毎日新聞
2016年7月1日 地方版
道内初となる美唄市の受動喫煙防止条例が1日に施行される。市内の施設を全面禁煙とする第1種施設と禁煙や分煙を求める第2種施設に区分けし、非喫煙者の煙害による健康被害を防ぐのが狙い。ただ飲食店などは適用を除外され、罰則規定もない。同市医師会は健康調査を行い、条例施行の効果を検証する。【千々部一好】
第1種施設は小中高校11校と幼稚園・保育所、市役所などの公共施設や病院、駅など約130カ所。建物に加え敷地内も全面禁煙となる。第2種施設には、商業施設や銀行や郵便局などが指定される。さらに学校の校門から100メートル以内も、登下校時の受動喫煙の防止が求められる。
第2種となるショッピングセンター「コアビバイ」は5月下旬に喫煙所をなくし、施設内を全面禁煙とした。一方で入り口4カ所のうち2カ所にある灰皿は7月以降も残す。担当者は「喫煙者から施設内禁煙に対する不満が強く、入り口の灰皿の撤去は当面見合わせた」と話す。
一方、JR美唄駅近くの飲食店「クックカフェ旅の途中に」は2008年の開店時から分煙を実施。マスター、山田進さん(67)は「もっと早く条例を制定すべきだった。たばこを吸わないお客さんは、においに敏感だ」と話す。
条例の適用対象外となる飲食店で、分煙を決めた店はまだわずか。同市健康推進課の橋本光明課長は「喫煙する常連客が離れてしまう心配がある。美唄は地元密着の店が多く、踏み切れないのでは」と見る。
今回の条例制定のきっかけは、美唄医師会が09年7月に出した学校や公共施設の禁煙を求める要望書だった。市内の喫煙率は高く、妊婦の喫煙も目立っていた。井門(いど)明会長は「米国では受動喫煙の防止で、疾患数が減ったというデータもある」と指摘。美唄市民が通院する岩見沢市などの病院と連携し、心筋梗塞(こうそく)や狭心症など五つの疾患の治療件数を調べて、条例施行前後を比較し効果を検証していく。
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