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受動喫煙で肺がんリスク1・3倍 国立がん研究センター

受動喫煙で肺がんリスク1・3倍 国立がん研究センター

http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/health/health/1-0310645.html

08/31 07:00

 国立がん研究センター(東京)は30日、日本人で受動喫煙がある人はない人に比べて肺がんになる危険性(リスク)が約1・3倍という研究結果が得られたとして、受動喫煙が肺がんになるリスクを上げるのは「ほぼ確実」としていた従来の評価(全4段階)を1段階上げ、最上位の「確実」に変更すると発表した。

 さまざまながんの中で受動喫煙がリスクを上げるのが「確実」と判定されたのは、肺がんが初めて。

 同センターが国民に推奨する指針「日本人のためのがん予防法」も、他人のたばこの煙への対策を、従来の「できるだけ避ける」から「避ける」へと厳しい表現に改める。また、乳がんとの関連も、最下位の「データ不十分」とする従来の評価を1段階上げ、受動喫煙が乳がんになるリスクを上げる「可能性がある」に変更する。

 受動喫煙を巡っては、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)が2004年、環境中のたばこの煙に「発がん性がある」と認定。日本の受動喫煙対策は国際的に不十分とみられており、多数の外国人が訪れる20年の東京五輪に向けて、対策強化が急務となりそうだ。

 国立がん研究センター社会と健康研究センターの笹月静・予防研究部長は「受動喫煙が肺がんのほかにも、循環器や呼吸器の病気、乳幼児突然死症候群などに影響することも科学的に明らかだ。たばこの煙を積極的に避けてほしい。家庭内も含めたたばこの煙のない社会づくりが大切で、受動喫煙防止策の法制化が望まれる。喫煙率や肺がん死亡率が全国的に見ても高い北海道は、優先的に取り組むべき課題ではないか」と話している。

 受動喫煙 2003年施行の健康増進法は「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義している。たばこの煙にはニコチンなどの有害化学物質が含まれ、肺がんや心筋梗塞などを引き起こす要因となる。

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