受動喫煙とがん 吸わない人を守りたい
受動喫煙とがん 吸わない人を守りたい
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/opinion/editorial/2-0081145.html
09/05 08:50
厚生労働省の専門家会合が、がんなど22種の病気と喫煙の因果関係が「十分にある」とする報告書をまとめた。
国の専門機関が、喫煙と病気の関係を科学的に判定したのは初めてだ。北海道の喫煙率は、2013年で27・6%と全国最多の状態にある。人ごとではいられない。
とりわけ重く見なければならないのは、他人のたばこの煙を吸う受動喫煙でも、肺がんなど7種で因果関係があるとした点だ。
社会全体でたばこを吸わない人を守る必要がある。自治体などの取り組み強化を求めたい。
国立がん研究センターは、日本人でたばこを吸わない人が受動喫煙で肺がんを発症する危険性は、受動喫煙がない人と比べて1・3倍に上昇すると発表している。
同センターの「日本人のためのがん予防法」も、他人のたばこの煙への対策を、「できるだけ避ける」から「避ける」に変えた。
北海道の喫煙率は10年から13年にかけて2・8ポイントも増えた。このままでは、たばこの煙にさらされる人が増えかねない。
神奈川県は10年に受動喫煙防止条例を施行し、13年には喫煙率が2・3ポイント低下した。
道内でも美唄市が今年7月、受動喫煙防止条例を施行した。
公共施設や病院、学校、公共交通機関などに禁煙の努力義務を課し、民間の物販店や金融機関などに禁煙・分煙の措置を講じるよう求めている。
喫煙者に対しては、公園や、学校から100メートル以内では特に喫煙しないよう努めなければならないとした。子どもたちへ配慮からだ。納得できる。
注目したいのは、条例の制定過程である。
慎重な検討を求める意見を受け入れ、いったん市議会への提案を見送った上で、公募の市民らでつくる検討委員会を設け、たばこ製造、販売関係者からも意見を聴き成立させた。
喫煙者や関係団体も含めた健康づくり運動が広がった結果だ。参考にしたい。
美唄市は条例を前面に出し「おいしい空気のまち びばい」とPRしている。これが共感を呼び、既に19件、49万円のふるさと納税が寄せられた。
美唄だけにとどめておくのはもったいない。道が主導権を握り、こういった取り組みを全道規模に広げられないか。
自然豊かな観光地の魅力を一層高めることになる。
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