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真っ黒な肺、ただれた口、腐りかけた足…グロ写真が効果抜群-海外で続々採用、たばこ写真の警告表示

真っ黒な肺、ただれた口、腐りかけた足…グロ写真が効果抜群-海外で続々採用、たばこ写真の警告表示

http://www.sankei.com/west/news/161018/wst1610180002-n1.html

2016.10.18 15:00更新

 たばこが喫煙者のがんや心筋梗塞などを引き起こすだけでなく、周囲にいる人の肺がんのリスクを1・3倍高めることが8月末、国立がん研究センターの解析で明らかになった。喫煙と受動喫煙による国内の死亡者は毎年14万5千人にのぼると推計されている。海外ではこうした危険を知らせるため、パッケージにグロテスクな警告写真を使う国が急増しているが、日本では導入されていない。写真警告表示には、どれだけ効果があるのだろうか。(加納裕子)

韓国では世論の後押しで導入

 「韓国では、たばこパッケージへの写真警告表示の採用法案が今年2月、大きな世論によって採択されました」

 9月18日、神戸市中央区の兵庫医療大学で開かれた日本タバコフリー学会学術大会。韓国の国立がんセンター禁煙センター所長で韓国禁煙協会会長を務める徐洪官医師は、禁煙治療などに取り組む日本の医師らを前にこう宣言した。

 徐医師によると、韓国では1995年に健康増進法が施行され、公共の場所が禁煙になったりレストランでの分煙が進んだりしたが、2014年の男性喫煙率は43・1%で同年の日本男性(30・3%)よりも高かった。だが、政府が同年9月に「包括的たばこ規制プラン」を宣言。増税やパッケージへの写真警告表示が検討され始めたという。

 15年1月からたばこ税がほぼ2倍になり、すべてのレストランやバーが禁煙に。今年2月には禁煙治療に多額の補助が出るなどの支援態勢も整った。写真警告表示も今年12月から導入されることが決まったという。

世界77カ国でたばこパッケージに恐ろしい写真

 写真警告表示の導入は世界中で進んでいる。たばこに対する規制や政策の有効性を研究する「国際たばこ規制計画」の主任研究者でカナダ・ウオータールー大学教授のジェフリー・フォン氏によると、01年にカナダが世界で初めて写真警告表示を採用。現在、77カ国が導入しており、そのうち54カ国でパッケージ面積の半分以上を占めている。

 各国が採用している写真はグロテスクだ。真っ黒に染まった肺や口腔がんでただれた口の中、末端血行障害で腐りかけた足。肺がんでやせ衰えて死んでいった34歳男性の遺体や、母親の喫煙によって未熟児として生まれた子供…。目を背けたくなる写真を、喫煙者はたばこを取り出そうとするたびに目にすることになる。

 こうしたパッケージが続々と導入される背景には、05年に発効した「たばこ規制枠組み条約(FCTC)」がある。同条約11条は「大きく明瞭で視認・判読が可能なもの」「主たる表示面の50%以上を占めるべきで、30%を下回ってはならない」「写真や絵を用いられる」などと規定しており、これに沿って世界標準が変わってきたのだ。

 国際たばこ規制計画によると、09年に表面40%、裏面60%に警告写真を表示するようになったマレーシアでは、警告を見てそのときの喫煙を中止した人の割合が33・4%増加。一方で、ほぼ同時期に表面と裏面に文字だけの警告を始めた中国では、警告を見て喫煙を控えた人の割合は5・3%しか増えなかった。同計画は、仮に中国がマレーシアと同様の写真警告を行っていたとすると、8200万人が喫煙を控えることができたと分析している。

カナダでは文字のみの警告から写真警告に変更した結果、喫煙率が2・9~4・7%減少した可能性があるという。フォン教授は「世界各国での効果はすでに証明されている。カナダの数字を日本に当てはめると、文字のみの警告から写真警告に変更した場合、喫煙者は58万9千人~95万4千人も減少するはずだ」と訴える。

日本でも世論は7割賛成、それなのに…

 日本では現在、たばこ事業法により、パッケージ全体の30%に8種類の注意文言が記されることが規定されているが、写真警告表示は導入されていない。今年6月に開かれた財務省の審議会で議論されたものの、「過度に不快感を与えないようにすることが必要」などとして、当面は見送られる方向になった。

 ただ、韓国と同じように日本の世論は写真警告表示に前向きだ。国立がん研究センターが今年4月、成人2千人(喫煙者千人、過去の喫煙者500人、非喫煙者500人)を対象に行った調査では、警告表示に画像を入れることについて70%が「賛成」または「強く賛成」と回答している。

 国立がんセンターでは「世界レベルのたばこ対策を目指して、表示面積の拡大や画像つきの警告表示の速やかな導入が重要だ。国民の支持も高い」と結論。日本タバコフリー学会は「国内で年間10万人を大きく上回るタバコ関連病死を考慮すると、たばこの真実を国際的スタンダードの画像警告表示で国民に情報提供することは、FCTCを批准している日本政府の義務だ」と訴えている。

 

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