【社説】米兵、銃は撃てるが葉巻は吸えず
【社説】米兵、銃は撃てるが葉巻は吸えず
米食品医薬品局(FDA)が企業による米軍への葉巻贈与を禁止
http://jp.wsj.com/articles/SB11722542889903014546304582387273288747462
2016 年 10 月 21 日 17:01 JST
米食品医薬品局(FDA)による新たな規制で、企業が米兵に葉巻を贈与することが禁止される可能性がある。このことを報じた際は何かの間違いだと期待していたが、それが事実であることが判明した。
カリフォルニア州選出のダンカン・ハンター下院議員がFDAに質問状を送付したところ、この案件について同局の立場の説明を受けたという。ハンター氏は海兵隊の一員としてアフガニスタンやイラクで戦闘に加わった経験を持つ。彼はFDAに対し、米兵に葉巻を贈呈することは禁止されていない旨の声明を出せば誤解は解けると伝えていた。
しかし、官僚制の世の中では物事はそのようには進まない。FDAの議会関連業務の担当をしているラメシュ・メノン氏はハンター氏に対し、企業が兵士に無料で葉巻を提供してきた長年の習慣を禁止すると返答したという。最前線で戦う海兵隊員や兵士たちはこれまで、つかの間の休息に無料の一服を楽しめていたが、たばこ規制をめぐるFDAの権力争いに巻き込まれてそれが不可能になってしまった形だ。
戦闘に危険が伴うことを知らない兵士はいない。喫煙に危険が伴うことを知らない兵士も、同様になかなかいないだろう。しかし葉巻の無償提供を禁止することによって、兵士たちはオバマ大統領が約束したように吸うか吸わないかを「自分で決めること」ができなくなる。
下院軍事委員会 に所属するハンター氏は新たな法案を提出し、葉巻贈呈禁止のルールを改正する予定だ。しかし今回のFDAによる過度の行為によって、議会が同局のたばこ規制について再度しっかりと検証する根拠ができたとも話す。それが行われれば、規制が純粋に健康促進のためではなく、政府機関による権力争いの結果としてできたものだと議員たちも理解するはずだ。
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