喫煙、がんのDNA変異誘発〔CBnews〕
喫煙、がんのDNA変異誘発〔CBnews〕 国がんなど日英米韓共同研究
CBnews | 2016.11.07 18:35
https://medical-tribune.co.jp/news/2016/1107505579/ 国立がん研究センター(国がん、中釜斉理事長)研究所など日英米韓の国際共同研究チームは4日、喫煙量とがん細胞に見られるDNA突然変異数には相関が見られ、喫煙が複数の分子機構を介して、DNA変異を誘発していることが明らかになったと発表した。 この国際共同研究には、国がん研究所のほか、英サンガー研究所や米ロスアラモス国立研究所などが参加し、臓器がんのDNA異常に喫煙がどの程度の影響を及ぼしているかを、喫煙との関連が報告されている17種類のがんについて、合計5243症例のゲノムデータを基に検討した。 この研究では、生涯喫煙量と患者のがん細胞に見られる突然変異数には、統計的に有意な正の相関が見られたほか、1年間毎日1箱のたばこを吸うことで、肺がんでは最多の150個、喉頭では97個、咽頭では39個、口腔では23個、膀胱では18個、肝臓では6個の突然変異が蓄積していると推計された。 変異パターンの解析では、喫煙によって発がんリスクが上昇するがんには、少なくとも3つのタイプがあることが分かった。具体的には▽たばこ由来発がん物質暴露が直接的に突然変異を誘発しているがん(例:肺がん、喉頭がん、肝臓がん)▽たばこ由来発がん物質暴露が間接的に突然変異を誘発しているがん(例:咽頭がん、口腔がん、食道がん、膀胱がん、腎臓がん)▽今回の解析で明らかな変異パターンの増加が見られなかったがん(例:子宮頸がん、膵がん)-だった。 (2016年11月4日 君塚靖・CBnews)
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