死亡率5%減へ数値目標 脳卒中・循環器病、5カ年計画 関連学会が策定
死亡率5%減へ数値目標 脳卒中・循環器病、5カ年計画 関連学会が策定
http://www.asahi.com/articles/ASJDJ753QJDJULBJ01K.html
2016年12月17日09時34分
脳卒中と循環器病の死亡率を5%減らすことなどを目標にした5カ年計画を、日本脳卒中学会と日本循環器学会が16日、発表した。関連19学会の協力を得て初めて策定した。計画は2035年まで5年ごとに見直しながら強化する。目標の実現に、「脳卒中・循環器病対策基本法」の法制化を求める活動も進める。
脳卒中と、心不全や心筋梗塞(こうそく)などの循環器病は、悪化と軽快を繰り返しながら生活の質を低下させる。合わせた死亡数は65歳以上ではがんと肩を並べ、75歳以上ではがんを上回る。介護が必要となる原因の約4分の1を占め、平均寿命と、日常生活に制限がない「健康寿命」との差をもたらす最大の原因とされる。
計画では、脳卒中と循環器病の年齢調整死亡率を5年間で5%、10年間で10%減少させ、健康寿命を延ばすことを大目標に設定、その実現のために、たばこや飲酒など生活習慣や危険因子の管理についても数値目標を盛り込んだ。
特に共通の課題がある脳卒中、心不全、心血管病(急性心筋梗塞(こうそく)、急性大動脈解離、大動脈瘤破裂、末梢閉塞性動脈疾患)を「重要3疾病」と位置づけた。
医療体制の充実のため、急性期の患者を速やかに適切な医療機関に救急搬送できる仕組みをつくる。24時間365日外科的治療も可能な「包括的センター」を核に、専門的な検査・治療を担う「1次センター」を設け、ネットワーク化を進める。がん登録のような全国の患者を登録して基本的なデータを集めることも盛り込んだ。
また、地域医療や在宅医療では、慢性期を診る地域の病院や専門クリニック、在宅医、訪問看護、かかりつけ薬局、介護施設などが連携し、患者一人ひとりの生活環境にあった医療・介護が受けられるような体制をつくることや、不安・苦痛に対応する緩和ケアを含む終末期の在宅医療の強化が必要だとした。
鈴木則宏・日本脳卒中学会理事長は「学会がバラバラに対策をしても効果が出ない。共通する課題も多く、協力して対策を講じようと計画を立てた」と話した。
■5カ年計画の主な目標
《全体》
・脳卒中と循環器病の年齢調整死亡率を5%減、健康寿命を延伸
《生活習慣や危険因子の管理》
・喫煙率を19%(昨年)から15%へ2割減
・1日の食塩摂取を2グラム減
・多量飲酒者(アルコール換算1日60グラム)の割合を10%減
・運動習慣がある人の割合を倍増、1日の平均歩数を1千歩増
・収縮期血圧(上の血圧)を2ミリHg下げる
・糖尿病患者数を減少へ
・BMI(体格指数)30以上の人の割合を10%減
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