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「原則禁煙」健康増進法改正は誰のためなのか

 

「原則禁煙」健康増進法改正は誰のためなのか

http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20170427/President_21954.html

2017年4月27日 09時15分 (2017年5月5日 19時20分 更新)

■「原則禁煙」健康増進法改正法案の行方
新年度がスタートし、居酒屋ではサラリーマンたちが歓迎会や懇親会を開く機会が増えている。そこで気になるのが、たばこの煙だ。
「お客様の利用の仕方によって、選択できるよう工夫しています。多様なニーズに対応できることが大切だと思っています」
東京・赤坂「三河屋」の店主で、赤坂青山料理飲食業組合連合会の堀込一之会長はそう語る。
受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の行方に、飲食業関係者が気を揉んでいる。当初、改正案では飲食店すべてを原則禁煙(喫煙専用室は設置可)とする方針だった。その後、飲食業界の反発などを受けて、小規模なバーやスナックなどに限り喫煙を容認したものの、居酒屋、焼鳥屋、おでん屋は一律的に原則禁煙となっている。
改正案が今国会に提出されるのかどうか。調整は大詰めを迎えているが、永田町ではこんな憤った声が聞こえてきた。
「厚労省記者クラブの記者は、役人の言い分を鵜呑みにして記事を書いている。まったく情けない」(自民党厚労部会の中堅衆院議員)
4月に入り、厚労省側の言い分を代弁するような記事が立て続けに見られた。たとえば、「厚労相 自民に異例注文『部会開いて』受動喫煙対策巡り」(毎日新聞 4月12日付)、「自民、厚労省案認めず 受動喫煙対策 後退必至」(毎日新聞 4月14日付)、「受動喫煙対策 進まぬ議論 法案 今国会提出に『黄信号』 妥協許さぬ厚労相 自民反対派が抵抗」(朝日新聞 4月21日付)といった具合だ。

要は、厚労省は改正案を提出したいのだが、自民党内での抵抗にあって議論が進まない。このままでは受動喫煙対策が遅れ、2020年の東京五輪に間に合わない、という論調の記事なのだ。
■「健康」と「経済」が対立する構図
各紙の記事は、事実の一部を伝えている。しかし、前出の議員は「厚労省の都合のいい事実だけしか伝えていない」と怒る。
「2月9日、15日の2回、厚労部会は開かれた。しかし、厚労省は最初から結論ありきのやり方だった。タタキ台というより、われわれ部会の意見を聞き入れようとせずに、アリバイ的に部会を通過させ、法案提出に持ち込もうとした。もちろん、受動喫煙対策は大切だが、さまざまな事業者もいるなかで、分煙なども考慮に入れて取り組む方向の声も多かった。それらの意見を塩崎恭久厚労相にも伝えてほしいと伝えた」
その2月中旬以降、自民党厚労部会は開かれていない。膠着状態に業を煮やした厚労省が、メディアに火を点けた図式が浮かび上がってきたというのである。
地方選出の議員からすれば、地元の経済がさらに沈んでしまう危機感の表れにほかならない。これまでも受動喫煙対策を巡っては、「健康」と「経済」が対立する構図となってきた。いったい受動喫煙対策はどうすればいいのか。世論調査でも大きく意見が分かれている。
朝日新聞は3月11、12日の世論調査で「厚生労働省受動喫煙対策を強化するため、法律の改正を検討しています。飲食店では、小さなバーやスナックを除き、レストランや居酒屋などの店内を原則禁煙とする案を示しています。

こうした規制強化の案に賛成ですか。反対ですか」との問いに、賛成64%、反対25%だった。
一方、3月18、19日の産経新聞社とFNNの合同世論調査では「政府は受動喫煙対策の強化を進める方針だ。飲食店を原則禁煙にする案と、『喫煙、分煙、禁煙』それぞれの表示を義務付け、選べる案ではどちらの案がよいか」との問いに、原則禁煙とする案が37.6%、選べる案が60.3%だった。
つまり、質問によって大きく違うことがわかる。規制強化にイエスかノーかと問えば、イエスが多い。一方で、一律の規制強化か、選択式の分煙かと問えば、選択式が倍近く支持を得るのである。
国民の健康は、当然ながら大切だ。しかし、多様性のなかで、喫煙者と非喫煙者が共存できる方法の模索も真剣に考えるべきではないか。自民党厚労部会には、医療の専門家もいる。決して地元経済だけを優先しての幼稚な議論ではない。部会の議員は「厚労省はつまらない策を仕掛けている時ではない。いま一番求められているのは、歩み寄る姿勢だ」と語るが、着地点を見つけるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
ジャーナリスト 山田厚俊=文

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