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路上喫煙OK? 加熱式たばこ、対応に温度差

路上喫煙OK? 加熱式たばこ、対応に温度差

https://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20170614/201706140915_29859.shtml

2017年06月14日09:15

◆多治見市×「青少年への配慮」 岐阜市○「ポイ捨て少ない」

 火を使わず、煙や臭いが少ない「加熱式たばこ」に関し、たばこの路上喫煙を制限する県内自治体で紙巻きたばこと同様に対象とするかどうかを巡り、対応が分かれている。「教育面から見れば、紙巻きと変わらない」との意見がある一方、「火を使わないので区別すべき」との見解も。たばこメーカーによる販売競争激化が予想される中、国の明確な基準はなく、戸惑いの声も聞かれる。

 県によると、区域を指定して路上喫煙を禁止する条例などを定めているのは4市。

 多治見市は昨年7月、有識者らが対応を検討し、紙巻きたばこと同等の扱いと決めた。市担当者は「健康面の害について意見が分かれているが、それ以上に教育面の配慮」と説明する。路上喫煙禁止の要綱の目的に、「青少年に『喫煙者の姿を見せない』という配慮」との視点が盛り込まれているからだ。

 違反すると千円の過料を科している高山市も、紙巻きと同等に扱うことにした。「たばこ税の対象」(市担当者)というのが、その理由だ。

 一方、岐阜市では運用が異なる。指定エリアを市の指導員が巡回し、喫煙者を見つけ次第過料2千円を徴収しているが、「条例は環境美化が目的。加熱式は火を使わず、ポイ捨ても少ない」(市担当者)と対象から外した。喫煙所で吸うよう指導はするが、過料は取らないという。

 美濃市は対応を決めかねている。担当者は「他市の状況などを参考に対応を検討している」といい、「国の指標があれば、ありがたい」と国に基準策定を求めた。

 民間企業も対応を模索する。タクシー事業の岐阜交通(岐阜市)は先月、加熱式を吸えるモニタータクシーの運行を開始した。車内では原則禁煙だが、加熱式を試験的に解禁した。乗客からの要望も受けた対応だという。モニター車両はグループ会社と合わせ、全体の約3割。乗客に「加熱式の解禁に賛成かどうか」などとアンケートする。岡本朋大社長は「これから間違いなく広がる。乗客のニーズに応えられるよう解禁の可能性を探っている」と話している。

 行政、民間とも対応を手探りの状態の中、気になるのは健康面への影響。日本禁煙学会(東京都)の宮崎恭一総務委員長は「ニコチンを含むたばこの葉を使用している以上、健康リスクを認識してほしい」と呼び掛ける。一方、塩崎恭久厚生労働相は2月、「世界でも研究が始まったばかりで、知見収集に努めている」と述べるにとどめた。

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