たばこ1日50本…がんで声失った男性、子らに禁煙訴え
たばこ1日50本…がんで声失った男性、子らに禁煙訴え
http://www.asahi.com/articles/ASK5T45PCK5TUBQU00K.html
片田貴也
2017年5月25日15時00分
たばこ1日50本のヘビースモーカーだった和歌山市の男性が、52歳の時に喉頭(こうとう)がんを発症し、命と引き換えに声を失った。「自分のような思いを子どもたちにさせたくない」。各地の学校をまわり、のどの振動を音声化する専用の器具を使って「声」を出し、たばこの害を訴え続けている。31日は世界禁煙デー。
同市大谷の畑中孝之さん(72)。現在は「たばこ問題を考える会・和歌山」の代表世話人も務める。これまで14年間にわたり、月約3回のペースで県内外で「禁煙教室」を開き、計約450回、延べ約4万2千人に体験を伝えてきた。
奈良県下北山村出身。父親の仕事の関係で熊野川町(現・新宮市)に移り住み、中学卒業後は大阪市西淀川区の鉄工関係の工場に就職した。周囲のほとんどの人がたばこを吸っていた。そんなに悪い物とは思わず、軽い気持ちだった。始めは一日1、2本、慣れてくると一日2箱以上吸うようになった。20代半ば以降、和歌山で暮らすようになり、妻には「やめなさい」と何度も言われたが、30年以上、喫煙の習慣は変わらなかった。
51歳の年末。カラオケに行ったときに高い声が出なかった。「風邪でもひいたのか」と思ったが、違和感が続いた。検査の結果、喉頭がんが発覚。放射線治療で一時はがんが消えたが再発した。医師から余命10カ月を宣告され、「声帯をとらないと生きられない」。
声帯摘出後、仕事に復帰したが…
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