たばこ対策の不思議
たばこ対策の不思議
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主人公はヘビースモーカーの小説家。高まる嫌煙権運動による喫煙者狩りから逃れたが、地球上で唯一の喫煙者となったために剥製にされ、博物館に展示される▼20年前にテレビドラマになった筒井康隆さんの小説「最後の喫煙者」(1987年)。愛煙家の筒井さんが、全体主義的な嫌煙運動を非難する狙いで書いた▼当時から喫煙の健康被害が叫ばれ、剥製を見た「昔は煙を吸った人もいたんだ」という子どもの言葉に、いつかはそんな日も来るだろうと印象に残っていたが、たばこ対策は、吸う権利と吸わない権利の主張が対立し、難しい課題のままだ▼政府は受動喫煙防止策を強化する法案の国会提出を先送りした。屋内禁煙を原則とした厚生労働省の改正案に、自民党が分煙や喫煙室の設置で受動喫煙は防止できるとして反対。禁煙化で客が減るという飲食店やたばこ業界に配慮した▼6月にあった島根県がん対策推進協議会では、委員の医師から「県条例で全施設を禁煙にし、企業には社員の喫煙率の提示を義務付けてはどうか」との大まじめな意見が出た。喫煙や受動喫煙ががんの発症リスクを高めることが証明される中で、国の動きははがゆく映るのだろう▼業界の利益に健康、権利とどれも大切だが守るべきは命だと思う。わが家は1年半前に屋内禁煙にした。雨風の中で一服する家人に少し同情しつつ、外に出るおっくうさから本数が減る効果も期待している。わが家の導入基準は、家族の健康というシンプルなものだ。(衣)
2017年7月2日
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