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国と東京都で受動喫煙規制が同時に進行する事態

国と東京都で受動喫煙規制が同時に進行する事態


 9月が近づき、受動喫煙防止対策をめぐる動きが水面下で始まっている。政府は、自民党との対立で先の国会に提出すらできなかった健康増進法改正案を改めて策定し、秋の臨時国会への提出を目指す。

 一方、東京都では、小池都知事が受動喫煙防止対策として、子どもを受動喫煙から守る条例の制定に意欲を見せている。罰則規定を伴う受動喫煙防止条例は後回しとなりそうな雲行きだ。

 健康増進法改正案、子どもを受動喫煙から守る条例は、ともに9月の臨時国会、都議会定例会が舞台となる。受動喫煙防止をめぐる法規制の動きが国と東京都でほぼ同時に進行するという分かりにくい構図となっているのだ。

 まずは政府案。政府は厚労省がまとめた案を先の通常国会に提出する構えだったが、喫煙を例外的に認める飲食店の広さなどをめぐる自民党との対立が解消されず、法案提出さえできなかった。そこで、今回は広さの線引きは法案に盛り込まず、政令で規定することにし、公布から2年以内とする法施行日までに線引きを決着させると報じられている。9月にも改正案を自民党厚労部会に示して、臨時国会への提出を目指す考えだという。

 焦点の例外的に喫煙可能とする店舗面積をめぐっては、従来の厚労省案は「店舗面積30平方メートル以下のバーやスナック」と報じられていたが、自民党は「分煙」「喫煙」表示を店頭に掲げれば「店舗面積150平方メートル以下は認める」ことを要求して対立していた。

 今回の改正案では線引き決着を先送りして、施行後5年をめどに「制度全般について検討を行う」と言った見直し規定を盛り込むようだ。

 嫌煙派の急先鋒で原則禁煙に固執した塩崎恭久前厚労相が8月の内閣改造で交代したことで、法案提出・成立は政府と自民党との交渉がスムーズにいくのかどうかがポイントになるとみられているが、政府内で一貫しているのは2020年の東京五輪までに法規制を整備させたいという姿勢だ。

「意見が対立する面倒なことは先送りして、とにかく法案を成立さえしてしまえば、あとで何とかなるというスタンスですね。そんなに東京五輪に向けて国際社会にいい顔をしなくてはいけないのか。分煙の考え方を盛り込んだ独自の対策ではダメなのか。国民の健康を考えるという大前提を考えたら、小手先の改正案でごまかすのではなく、公開の場で徹底議論してベストの法案を目指すのが本当の姿ではないでしょうか」(受動喫煙問題を取材するジャーナリスト)

 塩崎前厚労相は、先の国会閉会後、こんな談話を出していた。

「厚生労働省としては、国民の健康を第一に、世界に恥じない受動喫煙対策の法案をできるだけ早期に提出すべく、引き続き全力で取り組んでまいります」

「国民の健康第一」とともに「世界に恥じない」というフレーズが並ぶ。世界に恥じないことよりも、国民に恥じない議論こそが必要なのではないだろうか。 (つづく)

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