最新の喫煙率は男性が30%で女性8% 受動喫煙も大よそ減少傾向
最新の喫煙率は男性が30%で女性8% 受動喫煙も大よそ減少傾向
2017年9月24日 5時5分
国内外を問わずたばこの喫煙率は、特に先進諸国において減退傾向にある。また禁煙啓蒙活動も盛んに行われている。とはいえ今なお多くの人にとってたばこは重要な嗜好品に違いなく、街中で周囲を見渡すと、喫煙をする人の姿をそこかしこで見受けることができる。今回は厚生労働省が2017年9月21日に発表した「平成28年国民健康・栄養調査結果の概要」を基に、喫煙率動向、さらには受動喫煙に関する現状を見ていくことにする(【国民健康・栄養調査:調査一覧ページ】)。
今調査の調査要件は先行記事【一日の平均歩数は男性6980歩・女性6030歩(最新)】を参照のこと。
今調査によれば直近2016年において成人男性の喫煙率は30.2%、女性喫煙率は8.9%となった。男性よりも女性の方が喫煙率は相当低めとなっている。毎年夏頃に発表されるJTの年次喫煙率と比較するといくぶんの差異が見られるが、今件とは調査対象母集団が異なる上、「たばこを毎日吸っている人」「時々吸うことがある人」を加算しているなど、設問そのものに多少の違いがあるのが要因。
↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(20才以上)(2016年)
男性は20代で低めだが30代で大きく跳ね、40代から50代はやや落ちるが高い値で推移、50代からは大きく減っていく。しかし女性は40代をピークとするものの、30代から50代まではほぼ同率を維持し、60代以降に減少を示す。男女で年齢階層別の喫煙率に係わる変化に違いが生じているのは興味深い。主な生活時間を職場で過ごすか、自宅で過ごすかの違い、ストレスの感じ方も多分に影響しているのだろう。
男女とも大よそ歳を経るに連れて喫煙率は減退する。しかし70歳以上でも男性では12.8%、女性では2.3%がなお喫煙を続けている。
これを男女別に経年変化で動向を確認すると、漸減しているのが分かる。
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合の推移(20歳以上)
特に男性はこの13年で17%ポイント近い下げ幅を示している。他方女性は元々値が低いのも一因だが、あまり変化が見られない。この様相はJTの喫煙率調査と同じ動きといえる。
なお先行記事の歩数関連の話でも言及しているが、年齢階層で大きな違いが生じる項目では、経年データにおいて年齢階層別構成比の変化が全体平均値に大きな影響を生じさせるため、2014年分のデータ公開から年齢調整が成されたものも併記される形となった。こちらの値であれば、経年における高齢者の比率増加に伴う、平均値のゆがみを考えなくても済む。
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合の推移(20歳以上)(年齢調整後)
男性は漸減中だが2010年の大きな下げを除けば減り方は緩やか、女性もほぼ似たような動きであるのが分かる。
なお2010年に生じている、特に男性における有意な値の減少だが、2010年10月に実施されたたばこ税・たばこ価格の大幅な引き上げが原因と考えれば道理は通る。「国民健康・栄養調査」でもこれに絡み、過去において値上げの影響で喫煙をした人に関する調査項目を特設し、その動向を確認している(【2010年のたばこ値上げで影響を受けた人3割足らず、そのうち禁煙を果たした人は1割強(国民健康・栄養調査2012年版)】)。
喫煙には当事者が直接たばこを吸う以外に、周辺環境によって当事者の意図することなくたばこの煙を吸ってしまう機会がある。これを受動喫煙と呼んでいるが、今調査では不定期で調査を実施している。今回分の2016年分では実施されており、2008年・2011年・2013年・2015年に続く値を確認できる。
現在習慣的に喫煙している人「以外」で、過去一か月の間に受動喫煙の機会があったか否かを場所別に尋ねた結果が次のグラフ。家庭では毎日、それ以外では足を運んだ経験がある人のうち、月1以上で機会があった人の割合を示している。空欄の部分はその年において、調査項目そのものが無かったことを意味する。
↑ 現在習慣的に喫煙している人以外で、受動喫煙の機会を有する者(20歳以上)(家庭は毎日、それ以外は月一以上(「行かなかった」除く))
調査実施年にすき間があるのも合わせ、いくぶんのぶれはあるが、家庭や職場など繰返し同じ場所に足を運ぶ場所を中心に、大よそ減少する傾向にある。また各公的機関や不特定多数が集まる場所では分煙・禁煙化が進んでいるものの、まだ十分とは言い難い実態も見えてくる(少なくとも嫌煙家にはそのように見える値ではある)。
他方、受動喫煙の防止対策が推進されることを望む場所に関する問いでも、「飲食店」「路上」のような、実際に受動喫煙の経験がある場所における要望が高い(「望む場所」は現時点で直近年2016年分が未公開のため、前年分の2015年分を適用している)。
↑ 受動喫煙防止対策が推進することを望む場所/受動喫煙の機会を有する者(20歳以上)(2015年)(現在習慣的に喫煙している人以外対象)(家庭は毎日、それ以外は月一以上(「行かなかった」除く))
「子供が使う屋外空間(公園や通学路)」では実機会が少ないにも関わらず強い要望がある一方、機会が多い「職場」では要望はさほど出ていない。受動喫煙防止対策の実情の一端を理解できる結果ではある。
喫煙率は男性30%、女性8%
今調査の調査要件は先行記事【一日の平均歩数は男性6980歩・女性6030歩(最新)】を参照のこと。
今調査によれば直近2016年において成人男性の喫煙率は30.2%、女性喫煙率は8.9%となった。男性よりも女性の方が喫煙率は相当低めとなっている。毎年夏頃に発表されるJTの年次喫煙率と比較するといくぶんの差異が見られるが、今件とは調査対象母集団が異なる上、「たばこを毎日吸っている人」「時々吸うことがある人」を加算しているなど、設問そのものに多少の違いがあるのが要因。
男性は20代で低めだが30代で大きく跳ね、40代から50代はやや落ちるが高い値で推移、50代からは大きく減っていく。しかし女性は40代をピークとするものの、30代から50代まではほぼ同率を維持し、60代以降に減少を示す。男女で年齢階層別の喫煙率に係わる変化に違いが生じているのは興味深い。主な生活時間を職場で過ごすか、自宅で過ごすかの違い、ストレスの感じ方も多分に影響しているのだろう。
男女とも大よそ歳を経るに連れて喫煙率は減退する。しかし70歳以上でも男性では12.8%、女性では2.3%がなお喫煙を続けている。
これを男女別に経年変化で動向を確認すると、漸減しているのが分かる。
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合の推移(20歳以上)
特に男性はこの13年で17%ポイント近い下げ幅を示している。他方女性は元々値が低いのも一因だが、あまり変化が見られない。この様相はJTの喫煙率調査と同じ動きといえる。
なお先行記事の歩数関連の話でも言及しているが、年齢階層で大きな違いが生じる項目では、経年データにおいて年齢階層別構成比の変化が全体平均値に大きな影響を生じさせるため、2014年分のデータ公開から年齢調整が成されたものも併記される形となった。こちらの値であれば、経年における高齢者の比率増加に伴う、平均値のゆがみを考えなくても済む。
↑ 現在習慣的に喫煙している者の割合の推移(20歳以上)(年齢調整後)
男性は漸減中だが2010年の大きな下げを除けば減り方は緩やか、女性もほぼ似たような動きであるのが分かる。
なお2010年に生じている、特に男性における有意な値の減少だが、2010年10月に実施されたたばこ税・たばこ価格の大幅な引き上げが原因と考えれば道理は通る。「国民健康・栄養調査」でもこれに絡み、過去において値上げの影響で喫煙をした人に関する調査項目を特設し、その動向を確認している(【2010年のたばこ値上げで影響を受けた人3割足らず、そのうち禁煙を果たした人は1割強(国民健康・栄養調査2012年版)】)。
受動喫煙は……!?
喫煙には当事者が直接たばこを吸う以外に、周辺環境によって当事者の意図することなくたばこの煙を吸ってしまう機会がある。これを受動喫煙と呼んでいるが、今調査では不定期で調査を実施している。今回分の2016年分では実施されており、2008年・2011年・2013年・2015年に続く値を確認できる。
現在習慣的に喫煙している人「以外」で、過去一か月の間に受動喫煙の機会があったか否かを場所別に尋ねた結果が次のグラフ。家庭では毎日、それ以外では足を運んだ経験がある人のうち、月1以上で機会があった人の割合を示している。空欄の部分はその年において、調査項目そのものが無かったことを意味する。
↑ 現在習慣的に喫煙している人以外で、受動喫煙の機会を有する者(20歳以上)(家庭は毎日、それ以外は月一以上(「行かなかった」除く))
調査実施年にすき間があるのも合わせ、いくぶんのぶれはあるが、家庭や職場など繰返し同じ場所に足を運ぶ場所を中心に、大よそ減少する傾向にある。また各公的機関や不特定多数が集まる場所では分煙・禁煙化が進んでいるものの、まだ十分とは言い難い実態も見えてくる(少なくとも嫌煙家にはそのように見える値ではある)。
他方、受動喫煙の防止対策が推進されることを望む場所に関する問いでも、「飲食店」「路上」のような、実際に受動喫煙の経験がある場所における要望が高い(「望む場所」は現時点で直近年2016年分が未公開のため、前年分の2015年分を適用している)。
↑ 受動喫煙防止対策が推進することを望む場所/受動喫煙の機会を有する者(20歳以上)(2015年)(現在習慣的に喫煙している人以外対象)(家庭は毎日、それ以外は月一以上(「行かなかった」除く))
「子供が使う屋外空間(公園や通学路)」では実機会が少ないにも関わらず強い要望がある一方、機会が多い「職場」では要望はさほど出ていない。受動喫煙防止対策の実情の一端を理解できる結果ではある。
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