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酒・たばこ20歳維持 成人年齢引き下げ後も

酒・たばこ20歳維持 成人年齢引き下げ後も

警察庁検討 健康被害を懸念 2017年08月31日 17時54分

 成人年齢を20歳から18歳へ引き下げる民法改正が行われた場合でも、20歳未満に禁じている飲酒と喫煙の現行法の規定を維持する方向で警察庁が検討していることが30日、同庁への取材で分かった。健康被害への懸念から、引き下げに慎重な意見が根強いとしている。20歳未満禁止維持の方針で調整している競馬、競輪など四つの公営ギャンブルと歩調を合わせる形となる。政府は民法改正案を今秋の臨時国会に提出したい構えだ。

 飲酒と喫煙は、警察庁が所管する未成年者飲酒禁止法と未成年者喫煙禁止法でともに「20歳未満」は禁止されている。いずれも条文に年齢を明記しており、成人年齢が18歳に引き下げられても、両法を改正しない限り、20歳未満は飲酒や喫煙はできない。

 ただ、両法は名称に「未成年」の表記があり、民法改正で18歳未満が未成年になると、飲酒と喫煙の禁止年齢が18歳未満と捉えられるため、名称は変更される可能性が高い。警察庁の担当者は「内容は変わらないが、名称は『20歳未満喫煙禁止法』などと変える必要がある」としている。

 自民党の成人年齢見直しに関する特命委員会は2015年9月、成人年齢を18歳に引き下げるよう政府に求める提言をまとめたが、飲酒と喫煙の禁止年齢については、賛否両論が出たため、結論を見送っていた。

 一方、日本医師会や市民団体などからは、依存症や健康被害への懸念があるほか、事故や暴力など社会問題のリスクを高めるとして、引き下げ反対の意見が出ていた。

 競馬、競輪、ボートレース(競艇)、オートレースの公営ギャンブルは、それぞれ現行法で「未成年者」が馬券などを買ったり、譲り受けたりすることを禁じている。政府は、成人年齢引き下げの後も20歳未満禁止を維持するため、「未成年者」を「20歳未満」とする改正法案を民法改正案と同時に提出する方針だ。

 

 【ズーム】民法の成人年齢引き下げ 現行民法は20歳で成人と規定している。憲法改正手続きを定めた、2010年5月施行の国民投票法は投票年齢を「18歳以上」とし、付則で選挙権年齢の引き下げなどの法整備を要請。16年6月施行の改正公選法は選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げ、付則で「少年法と民法について必要な法制上の措置を講じる」と明記した。成人年齢に関係する規定のある法律は多数あり、個別に議論される。少年法改正は、法相の諮問を受けた法制審議会が議論している。

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