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“進化形”大麻が巷に蔓延…電子たばこ吸入器悪用「リキッド」に濃縮「ワックス」

“進化形”大麻が巷に蔓延…電子たばこ吸入器悪用「リキッド」に濃縮「ワックス」

2017.8.29 12:00

 法で厳しく規制されている大麻を液体状に加工した「大麻リキッド」が、繁華街などで蔓延(まんえん)の兆しを見せ始めている。大麻が合法化されている海外から密輸され、利用者が急増している電子たばこと組み合わせて使用されているという。乾燥大麻や自生大麻のような独特の臭いがなく、周囲に使用が発覚しにくいことが特徴だ。幻覚成分を濃縮した「大麻ワックス」の摘発も相次いでおり、巷には大麻の加工品があふれている。捜査当局は「大麻乱用を助長する恐れがある」と警戒を強めている。

愛好家の間で広まる

 大麻リキッドは、大麻草を煮詰めて麻薬成分を抽出した液体。サラダ油のような色で、加熱して発生させた蒸気を吸い込むと、乾燥大麻などと同様に、脳神経に作用して多幸感や高揚感をもたらすとされる。

 捜査関係者によると、大麻リキッドの所持は大麻取締法上の違法行為だが、昨年ごろから繁華街などでひそかに流通しているという。「繁華街にたむろする一部の愛好家が仲間内で広め、ユーザーの裾野が拡大しつつある」という。

 背景にあるのは電子たばこの普及だ。電子たばこは一般的に、タバコや果実などさまざまな味や香りのリキッド(液体)を専門の容器に注入。容器を吸入器に接続し、加熱して発生した蒸気を吸引する。嫌煙機運の高まりとともに、近年、紙巻きたばこの代用品として利用者が急増している。

 一方で「大麻リキッドを組み合わせた電子たばこが一部で売買されている」(捜査関係者)という。

「無臭でばれない」

 「たばこ感覚で手軽に吸える上、街中で使用しても全く周囲に怪しまれない」。知人が大麻リキッドを吸引する現場に居合わせたという40代の自営業の男性は取材にそう証言した。

 煙を吸うため大麻を燃やした場合、独特の臭いを放つとされる。しかし、大麻リキッドの蒸気には臭気がなく、「周囲に発覚する心配がない」(男性)。男性の知人は、大麻リキッドを繁華街で知り合ったいわゆる「半グレ」グループから1本4万5千円で購入。1本分は、1グラム5千~6千円程度(末端価格)で取引される乾燥大麻16グラム分に相当する量という。

 この男性は「同量の乾燥大麻の半額程度で済む。成分を濃縮しているため効き目も強く、割安感もあるようだ」と推察した。

 捜査関係者によると、大麻使用が合法化された米カリフォルニア州では大麻リキッドの販売店が点在。米国で入手されたリキッドが密輸されているという。

“ワックス”も…

 大麻リキッドと同様に、より強い刺激を求めて大麻を加工する事例も続発している。 一方で「大麻リキッドを組み合わせた電子たばこが一部で売買されている」(捜査関係者)という。

 厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部は8月、可燃性のガスを使って乾燥大麻を濃縮した「大麻ワックス」を自作した男を大麻取締法違反(所持)容疑で摘発した。押収された大麻ワックスの麻薬成分濃度は、自生大麻の50倍だった。

 6月には東京都内で約65倍の濃度のワックスが押収されたばかりで、全国的な広がりが懸念されている。捜査関係者は「これまでほとんど見られなかったワックスの摘発が、この2年ほどで急増している」と危惧を打ち明ける。

 大麻を乱用すると、認知機能の低下や記憶障害、依存症に陥るなどの危険性があるとされる。成分を強めた大麻リキッドや大麻ワックスなどの加工品ではさらにリスクは増大する。

 大麻乱用者は増加傾向にある。警察庁によると、大麻関連事件で平成28年に摘発された人数は2536人で、5年ぶりに2千人を突破した27年(2101人)からさらに増えた。

 捜査関係者は「取り締まり強化で入手困難になった危険ドラッグの乱用者が大麻に移行するケースも目立つ。大麻リキッドなど発覚しにくい加工品が広がることで乱用者が拡大する恐れもある」と警鐘を鳴らしている。

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