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[たばこをやめる、やめさせる](3)「正当化」の思考断つ

[たばこをやめる、やめさせる](3)「正当化」の思考断つ

2017年12月25日

好きだから吸う。ストレス解消だ。喫煙は文化。医者は騒ぎすぎ、吸っても長生きの人がいる――。そんな考えにしがみつき、たばこをやめられないのが“三つの敵”の最後、心の依存だ。

 岡山済生会総合病院内科診療部長の川井治之さんによると、心の依存は「人は自分を正当化する方向へ考えを変える」という、考え方の悪いくせが原因だ。

 体に悪いことを知りながら、自分は吸っている。そんなちぐはぐな状況をなくそうと、たばこと病気の関係を過小評価したり、たばこの効能を信じたりする。

 典型的なのが「たばこはストレス解消になる」という誤解。喫煙は血管収縮、血圧上昇、低酸素状態などを引き起こし、体にとってはストレスだらけだ。ストレスが解消されたように感じるのは、ニコチン切れによる禁断症状のストレスが、たばこを吸って補われているに過ぎない。

 「好きで吸っている」というのも、ニコチン依存を認めたくない悪いくせの表れだ。川井さんは「正しい知識を身につけ、自分の考え方のくせに気付き、謙虚に向き合って」と話す。

 家族も「臭い」「嫌だ」と敵対せず、「長生きしてほしいから心配」と寄り添う姿勢が大切だ。孫の誕生や体調不良などで本人が禁煙を意識した時、寄り添ってくれた家族の存在が効いてくる。川井さんは言う。「禁煙は究極の健康法。たばこへの依存を卒業することで、たばこに奪われてきた人生を取り戻してほしい」(森井雄一)

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