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受動喫煙対策で厚労省、加熱式たばこも規制へ

受動喫煙対策で厚労省、加熱式たばこも規制へ

22日 15時40分

 煙が出ず臭いが少ないとされ、人気の加熱式たばこ。この加熱式たばこについても厚生労働省が受動喫煙対策として、一定の「規制」を検討していることがわかりました。

 口から広がっていく緑色のもや。これは、加熱式たばこを吸った人の口から出た「蒸気」の広がりをみる実験です。「加熱式たばこ」は火を使わずニコチンを含んだ蒸気を吸い込むもので、煙が出ず、臭いが少ないとされています。今や、たばこの売り上げの1割を超えるなど、急速に普及しています。

 この「加熱式たばこ」について、厚生労働省が受動喫煙対策として一定の規制を検討していることがわかりました。学校や病院の屋内は完全禁煙としたうえで、飲食店でも原則禁煙に。150平方メートル以上の飲食店で、換気設備が整った分煙用の部屋を設けた場合には、飲食中でも「加熱式たばこ」を吸うことを認めるとしています。ただ、今回の規制は「あくまで当面の措置」とする見通しです。なぜなら、「加熱式たばこ」の健康への影響がわかっていないためです。

 加熱式たばこを吸って息を吐くと、口から出た蒸気はすぐに見えなくなります。ところが、この蒸気にPM2.5などの粒子が映る特殊な光を当てると・・・実は1.5メートルほど先まで広がっているのがわかります。

 「人間の呼吸は1回500ccだが、ラストの150ccは息を吐くときにそのまま出てくる。本人が吸ったものと同じ濃度」(産業医科大学 大和浩 教授)

 では、加熱式たばこの蒸気には、何が含まれているのでしょうか。厚労省の研究班などの研究では、ニコチンや有害物質のアルデヒド類が含まれ、換気がない環境で多量に吸うと室内のニコチン濃度は、安全な水準を超えることがわかりました。一方、「加熱式たばこ」を販売するJTは、「周囲の人間の健康に対して実質的な影響を与えない」としています。受動喫煙の専門家は、健康への影響がわかるには時間がかかるといいます。

 「加熱式たばこについては、ようやく曝露がはじまった。有害性が本当に分かるのは、20年後とか30年後」(産業医科大学 大和浩 教授)

 国に先駆け、罰則付きの受動喫煙対策の条例の制定を目指す東京都は・・・

 「加熱式たばこについて、罰則付きとなると科学的知見がまだまだ十分ではない。ハードルがあるかと」(小池百合子 都知事)

 健康への影響がはっきりしないなかで、どう規制していくか。厚生労働省は自民党などと調整したうえで、来年の通常国会で改正案を提出したい考えです。

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