たばこの消費世界一の中国 課税で喫煙抑制できる?
たばこの消費世界一の中国 課税で喫煙抑制できる?
2018年1月10日 21:52 発信地:東京
【1月10日 東方新報】中国は世界のたばこの3分の1以上を消費しており、たばこ消費国2位から28位の消費量を足しても中国の消費量の方が多い。
たばこに関するデータは、ほかにも世界ワースト1位が並ぶ。喫煙人口(3億1600万人)、男性の喫煙率(52%)、1人あたりの喫煙量。さらに、受動喫煙による被害が最も多い国でもある。専門家によると、近年、中国国内の20都市以上で全面禁煙の規定が採用されているが、こうした都市の人口は全人口の10%に満たないという。
世界保健機関(WHO)たばこ抑制・経済政策協力センター主任で、対外経済貿易大学(University of International Business and Economics、UIBE)の鄭榕(Zheng Rong)教授によると、「中国人のたばこ購買能力が10%上がったのに伴い、たばこの消費量も6.01%増加した」という。
2009年と2015年の2度にわたってたばこ税が引き上げられて59%となったが、まだまだ世界平均の75%とは程遠い。しかも中国のたばこ税は価格を基準に税率が定められている従価税であるため、価格が安いたばこの販売価格は依然として安いのが現状だ。
中国疾病対策予防センターの姜垣(Jiang Yuan)主任によると、たばこ抑制の主な目的は若者と低所得者の喫煙率の減少だという。喫煙による健康被害が、最も多く集中している集団だ。
長年にわたってたばこ抑制を支持している清華大学(Tsinghua University)の胡鞍鋼(Hu Angang)教授は、「低価格のたばこは貧困地区での消費量が比較的多い。農村の住民がたばこにかける費用は年収の17.3%で、都市部の8.8%よりも多い。喫煙による健康被害によって、貧困家庭がさらに貧困になるなどの悪循環を招いている」と話す。
2015年の全世界の喫煙による死者は640万人で、その半数以上が中国(180万人)、インド(74万人)、米国、ロシアに集中していた。
WHOの発表によると、中国では2014年、たばこが原因の疾患治療による直接的な損失は530億元(約9218億円)で、このほかに間接的な損失が2970億元(約5兆1658億円)あり、両者の合計は中国の同年の保健衛生関連支出の10.59%を占めた。
たばこ企業と関連部門がたばこ抑制に対して消極的なことが、たばこの価格を上げる最大の障害なのではという懸念の声も一部にある。(c)東方新報/AFPBB News
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