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NYやローマなど海外観光地で「たばこくれ」に応じると危険! 丸山ゴンザレスが教える神対応

NYやローマなど海外観光地で「たばこくれ」に応じると危険! 丸山ゴンザレスが教える神対応

2018.5.27 11:30

 世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレス。取材やインタビューの基本は英語である。それもブロークン・イングリッシュ。それゆえ、恐ろしくも奇妙で日常生活ではまず使うこともないようなやりとりも生まれてしまう。そんな危険地帯で現地の人々と交わした“ありえない英会話”を紹介する本連載。今回は、路上でよくある絡まれ方とその対処法を紹介する。

*  *  *

 世界中の危ない場所とされるところを取材で訪れる。目つきのヤバイ連中に絡まれることもあるし、明らかに危険な空気をまとって、ポケットが何かで膨らんだような奴らに出くわすこともある。そういった特殊な状況でなくても、わりとどこでも起こりやすい絡まれ方というのがある。

「Give me a cigarette.」(たばこくれ)

 海外旅行先で経験した人も多いかもしれないが、空港などの喫煙所や、路地裏などで吸っていると、フラッとやってきた男に言われることが案外と多いのだ。これだけのことではあるのだが、甘く見てはいけない。もし、このお願いをされて、なんとなく「恵んであげよう」とか「1本ぐらいいいかな」と思った人は、トラブルへの入り口に足を踏み入れている可能性があると思ってもらいたい。

「Give me one dollar.」(1ドルちょうだい)

 だいたい、この次に来るのは「お金ください」である。たばこの場合には、本当に1本欲しいだけかもしれないが(それでも大概にずうずうしい)、お金の要求となると話は変わってくる。完全にタカリだったりするのだ。

 百歩譲って、単なるタカりだったとしても、この様子を見ている連中というのが少なからずいるのだ。特に観光客の多いエリアだと、かなりの確率でチェックされている。そうすると次から次へと妙な輩に絡まれやすくなってしまう。

 ローマ、マドリード、アテネ、ロサンゼルス……世界中のあちこちで、この手の事例を耳にしたことがある。なかにはぼったくり店に連れていかれたり、ポーカー賭博などに引き込まれたりして深刻なトラブルに発展するケースがあるので注意してもらいたい。

 さて、ではどうやってこのタカり相手に対処すればいいのか。

「NO!! Don’t touch me!」(やだよ! 触んなよ!)

 以前、そんなふうに対処して、無駄に大きなトラブルに発展した経験があり、上手な断り方というのをなんとなく模索していた3年ぐらい前、NYの友達と一緒にグリニッジ・ストリートあたりでコーラを飲んでいた。彼はひと仕事を終えて、一服するのに付き合っていた。そこに目つきの怪しい男が近寄ってきて、

「Give me a cigarette.」(たばこくれ)

 ヤク中がたばこをタカってきたのだが、友達は慌てたそぶりを見せることもなく、

「Sorry, last one.」(最後の1本だから)

これだけで納得させて追い返してしまったのだ。「今は吸っているけど、これ以上はないよ」と伝えるだけでいいのだ。ものすごく簡単な対処ではあったが、男は何も言わずに去っていった。これ以上ないほどスマートな言い回しが羨ましくなって、「それ、使っていい?」と思わず言ってしまった。友達は、いったいなんのことかわからずに「おお……」と面食らっていた。

 たかがたばこと思うことなかれである。ドラッグにはゲートウェードラッグと呼ばれる存在がある。初心者用の入り口となってより泥沼へと誘う存在のドラッグ、現在では主にマリファナや危険ドラッグといったものを指して使われることが多い。この絡まれ方も、犯罪のゲートウェーになりかねない危険な可能性を秘めていると思っていただければと思うのだ。警戒心を抱くだけなら、別に損することはなにもないのだから。

 ちなみに、私はこの方法を当たり前のように実践しているため、しばらくしてから2本目のたばこを吸っているところを目撃されてしまうことがる。そんなときはどうしているのか? 知ったことではないというふうに完全無視である。タカってくるような奴にいちいち気を使う必要なんてないのだ。

「知るか、ボケ!」、このぐらいのマインドでいくことも時には必要である。

(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

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