健康長寿日本一へ、自ら襟正す 屋外喫煙所「半日」に限定 本庁舎で来月から /福井
健康長寿日本一へ、自ら襟正す 屋外喫煙所「半日」に限定 本庁舎で来月から /福井 https://mainichi.jp/articles/20180519/ddl/k18/010/303000c
毎日新聞2018年5月19日 地方版
県は来月1日、本庁舎(福井市大手3)にある屋外喫煙所の利用を午後だけに限る「半日禁煙」を始める。庁舎内は10年前から禁止されており、健康長寿日本一を掲げる県が自ら襟を正した格好だ。【大森治幸】
世界保健機関が制定した「世界禁煙デー」(5月31日)にちなんだ取り組み。本庁舎には北側の駐輪場に喫煙所があり、開庁日の午前8時~午後5時半ごろ灰皿が置かれている。来月1日以降は正午からの設置に限定し、職員らに禁煙を促す。
厚生労働省によると喫煙者が心筋梗塞(こうそく)などの心疾患で死亡する危険性は、非喫煙者の1・7倍に達する。このため県が今年3月策定した「健康づくり応援計画」では、2016年に20・9%だった県内の喫煙率を22年に12・0%とする目標を設定。児童生徒への啓発事業として、出前授業なども始める予定だ。
半日禁煙の導入もその一環で、県健康増進課の担当者は「計画を進める県が自ら禁煙に取り組む必要がある」と意義を語る。今年度当初予算で県は8億6800万円のたばこ税歳入を見込むが、西川一誠知事も非喫煙者で、“煙たがられる”肩身の狭さを感じる愛煙家職員も少なくない。
半日禁煙の導入に、至福の一服を求める職員の一人は「仕事で煮詰まった時に喫煙所を利用していた。それだけに『心の安定』を求める時間が減るのは寂しい」と嘆いた。
分煙にステッカー たばこ可否これで一目瞭然
たばこを巡っては、他人がはき出した煙を吸わされる受動喫煙が問題となっている。県は対策を盛り込んだ条例こそ未制定だが、多くの来県者が見込まれる福井国体を今秋に控えており、分煙対策に乗り出した。喫煙の可否を示すステッカーを作成し、経営者らに活用を呼びかけている。
ステッカーは、縦14・7センチ、横10・5センチ。「喫煙可能」「禁煙」「喫煙所設置」のほか禁煙時間がある「時間分煙」、喫煙と禁煙を場所で分ける「空間分煙」の5種類を赤や青などの色別で示した。120万円を投じて県健康増進課が計2万枚を作成し、不特定多数の人たちが集う飲食店やスポーツ施設の経営者に無料で配布する。
たばこの先端から出る「副流煙」は喫煙者がフィルター越しに吸う「主流煙」よりも多くの有害物質が含まれるとされ、受動喫煙の防止対策を講じる動きが広がっている。神奈川県は屋内施設の喫煙規制を定めた全国初の条例を2010年に施行。国会では、施設管理者らに罰則付きで受動喫煙対策を義務づける健康増進法の改正案を審議している。
福井県はステッカーを世界禁煙デーの31日から貼り出してもらう考えで、利用希望者は県健康増進課(0776・20・0349)。それ以降も申し込みを受け付ける。【大森治幸】
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