東京都は「加熱式たばこ」を受動喫煙防止条例の対象から、条件付きで外す方針 / 非喫煙者からは厳しい声が
東京都は「加熱式たばこ」を受動喫煙防止条例の対象から、条件付きで外す方針 / 非喫煙者からは厳しい声が
佐藤英典
東京都は2018年5月、受動喫煙防止条例(仮称)の骨子案を発表した。そのなかで大きなポイントとなっていたのが、従業員のいる飲食店では原則屋内禁煙であること。そしてもうひとつが、対象となるたばこ製品だ。
当初は紙巻きたばこだけでなく、現在シェアを広げている加熱式たばこも対象となる予定だったのだが、都は条件付きで加熱式たばこの飲食店での喫煙を可能とする方針に変更したという。このことについてネット上では賛否の声が上がっている。
・8割の飲食店が対象
日本経済新聞によれば、対象となる飲食店(従業員のいるお店)は、東京都内の約8割にものぼるそうだ。骨子案の通りに条例が施行された場合、現在分煙を行っているお店も喫煙不可になり、喫煙者の足はお店から遠のくことになるだろう。
カフェやレストランなどでは、すでに禁煙を実施しているお店が多いものの、いわゆる「お酒の席」にあたる居酒屋やバーなどは、条例案通りに禁煙を実施した場合、お店の売上に多大なる影響を及ぼす可能性がある。
・厳しい声
NHKニュースによると、都は加熱式たばこについては、専用室を設ければ飲食しながら喫煙できるように変更する方針を固めたとのことだ。電気加熱式たばこを利用者の私(佐藤)にとっては、大変有難いことなのだが、非喫煙者からは厳しい声が上がっている。
「紙巻きタバコだけの規制なんて、まったく無意味」
「意味がわからない」
「なんで加熱式だけ許可」
「これは叩かれるぞ」
「全部禁止したほうがいい」
「ややこしいことになりそう」
……など。
やはりたばこを吸わない人にとっては、加熱式だろうが紙巻きだろうが、たばこはたばこ。一部だけ許すという考えに納得がいかない様子だ。
・かえって路上喫煙が増えるのでは?
喫煙者である私自身は、仮に飲食店原則禁煙が実施された場合、ほかの点が気になる。それは、かえって路上喫煙を増やすことになりはしないか? ということだ。どこに行ってもたばこが吸えないとなると、隠れて吸う人を増やすことにつながる恐れがある。
建物の影や、ちょっとした路地裏に入ってたばこを吸わせることになりかねない。本当に飲食店原則禁止を実施する前に、喫煙所を適度に拡充しないと、街をより汚すことになりそうな気もする。それならいっそのこと、1箱1000円くらいに値段を引き上げて、たばこを贅沢品にすべきだと思うのだが……。いずれにしても、この議論はしばらく続きそうだ。
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