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歯を汚さない習慣とは?飲み物・たばこから歯みがき粉選びまで、歯科医にきく

歯を汚さない習慣とは?飲み物・たばこから歯みがき粉選びまで、歯科医にきく

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2018.08.17

 今年はいささか太陽がまぶしすぎますが、輝く夏空の下に似合うのはやっぱり白い歯ですよね。

 でも、気づくといつの間にか歯が黄ばんでいたり、黒ずみ汚れていたりして自分で自分にがっかり……ということはないでしょうか(私はあります)。

 8月21日は「ホワイトティースデイ」(「歯にいい」の語呂合わせ)だとか。白い歯を手にいれるためにはどうしたらいいのか? 藤沢市辻堂にあるT&Sデンタルクリニックの副院長・小林志穂子先生に話を伺いました。

歯みがき直後のコーヒーやお茶はNG

 まずは、黄ばみの原因について。

「ひとつは、ステインと呼ばれる着色汚れですね。コーヒーや紅茶、お茶の茶渋、食べものに含まれる食品添加物、たばこのヤニなどが、ブラッシングで落ちきれずに残ってしまい、それが蓄積して黄ばみや黒ずみとなります。

 ただ、みなさんが気にされる“歯の白さ”は、そもそも人によって違うし、年齢によって変わるんです」

 歯の外側にある半透明なエナメル質への光が反射によって、歯の白さが変わるのだそうです。黄色人種は白人に比べるとエナメル質がもともと薄く、また、年を重ねる中でエナメル質が削れて薄くなり、下にある象牙層が透けて黄ばんで見えることも。さらには、遺伝的に歯が黄色がかっている人もいるのだとか。

 つまり、歯の色も個性のひとつ、と言えるのかもしれません。とはいえ、さらにステインがこびりつくのは絶対避けたいですよね!

 着色汚れがつかないようにするために、日々、何に気をつけたらいいのでしょうか?

「まず言えるのが、歯みがき直後に口にするのは、お水のほうがいいということ。歯みがき粉には研磨剤が入っていますので、磨いた直後、傷になっているところにコーヒーやお茶を飲むとステインがつきやすくなります。また、食後にコーヒーやお茶を飲んだ後、口をすすぐだけでも少しは着色を予防できると思います」

 なるべく着色の原因となるものを避け、蓄積させないというのがいいみたい。

流行りの透明飲料や加熱式たばこは歯が汚れない?

 折しも、今年は透明飲料ブーム。「アサヒ クリアラテ」「サントリー天然水 プレミアムモーニングティ」など、紅茶やラテフレーバーの透明飲料が続々登場しています。コカ・コーラまで無色透明の「コカ・コーラ クリア」が登場。どうせ飲むなら、着色の心配がなさそうな、無色透明がいいのかも!(ただしメーカー側はステインが付かないとうたってはいません)

 また、たばこで歯が黄ばんでしまうのは、燃焼により発生する「タール」と総称される成分群が原因です。そこで喫煙者のあいだで急速にシェアを伸ばしているのが加熱式たばこ。現在、Ploom TECH(プルーム・テック)、IQOS(アイコス)、glo(グロー)の3種類が出ています。

 加熱式たばこは、着色や健康被害の原因の一つとなるタールがほとんど出ないそうなのです。

 というのは、紙巻たばこがたばこ葉を燃やすのに対して、加熱式たばこは燃やさずに加熱して蒸気が出る仕組みだからだそう。そのため、タールがほとんど出ず、健康被害の原因になる物質も大幅にカットできるのです(プルーム・テックは健康懸念物質99%カット、アイコスは有害性成分90%カットとうたっています。いずれも自社調べ)。

 どうしても禁煙できない人は、加熱式たばこを選ぶというのも手かも!

 ただし小林先生は、透明飲料や加熱式たばこについて「いずれも登場したばかりで、5年後10年後という経年のデータはでていませんので、正直、なんとも言えません。普段何気なく口にする食べ物、ちょっとしたお菓子の中にもステインの原因となる成分はあるので、着色を完全に防ぐというのは難しいと思います」とのこと。

歯みがき粉、歯ブラシの選び方は?

「やっぱり大切なのは、日々のブラッシング&フロッシングです。口の中の食べかすや細菌をブラッシングでちゃんととりきれていないと、時間がたって固くなり歯石になります。歯石にもステインはつきやすく、汚れはどんどん大きくなっていってしまいますから」

 では、歯磨き粉など、ケアアイテムの選び方にポイントはあるのでしょうか。

「汚れを落とすのは歯ブラシなので、歯みがき粉は基本、お好みのもので大丈夫です。知覚過敏の方は研磨剤が入っていないものを選ぶといいかと思いますが、研磨剤が入っていたほうが、やはり汚れを落とす効果は高くなります。多少ですが削れるのは確かなので、気にされる方は、研磨剤入りのものとそうでないものを交互に使うことをオススメしています」

 ちなみに、先生イチオシは、「ルシェロ」の歯ブラシと「歯みがきペースト ホワイト」の組み合わせ。ルシェロは歯科用医療器具メーカーの「ジーシー社」が開発・販売するブランドで、目的によって歯ブラシを処方、「W-10 美白のための歯ブラシ」というのもあります。

海外製の歯みがき粉や「歯の消しゴム」には要注意

 ただ、ネット通販などで購入できる海外製の歯みがき粉には、注意が必要だと小林先生は言います。

「入っている薬剤の量が、日本製のものより強い場合があるんです。知覚過敏を起こしてしまうケースも中にはあるので、輸入品はご自身で見極めて購入されたほうがいいと思います。

 あと、あまりおススメできないのが、歯の消しゴムです。とてもキレイにはなりますが、歯の表面を傷つけながら汚れを落としているので、削られて凸凹ができ、そこに汚れがつきやすくなってしまいますので」

 日々のケアをしっかりしたうえで、「もっと白い歯を!」となると、次は審美歯科でのホワイトニング。小林先生が勤めるT&Sデンタルクリニックでもホワイトニング治療を行っています。ですが、小林先生自身は、「確かに真っ白な歯はキレイです。でも、白ければいいというものではないと思うんです」と意外なコメント。

「お手入れをキチンとしていて汚れがなく、ご自身のお顔に合っていて自信をもって笑顔になれる歯が素敵な歯だと思うんです。そのために、3か月~2か月に1回、歯科医での検診とクリーニングを行ってほしい。汚れを溜め込んでしまうから落とすのに時間がかかるんです。汚れが軽ければ、治療もすぐに終わります。美容院に行く感覚で、かかりつけの歯医者さんに行くのがいちばんだと思います」

 年に1度の検診すらスルーしている身には耳が痛い……。

ピンク系の口紅は、歯の黄ばみが目立ちにくい

 最後に、女性にとってお手軽&耳寄りアドバイスも。

「歯の白さを感じさせるのに、口紅の色はかなり影響します。真っ赤な口紅をつけていると、中の歯は黄色がかって見えるんです。もし、歯の色を気にされる方はピンク系の口紅を選ぶといいと思います」

 今年はナチュラルメイクが主流で、口紅もヌーディなコーラル系ピンクが夏のトレンドとのことでタイミングはばっちり。

 なるべくキレイな歯で過ごすために、できることはたくさんありそうです。

<取材・文/鈴木靖子>

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