残念なお知らせ。飲酒に適量はなく、総合的にみると健康に悪影響を及ぼすという研究結果(米研究)
残念なお知らせ。飲酒に適量はなく、総合的にみると健康に悪影響を及ぼすという研究結果(米研究)
https://news.biglobe.ne.jp/trend/0827/kpa_180827_0870703267.html
8月27日(月)9時0分
タバコが人体に悪影響を及ぼすという意識は既に浸透しているが、お酒もやはり体には良くないようだ。それは量の問題ではない。
酒は百薬の長とも言われており、1日1、2杯のお酒なら体に良いとされていた時代もあった。
だが、今回、これまでに発表されている膨大な研究結果を分析した結果、アルコールに適量などなく、総合的に見ると健康に悪影響を及ぼすということがわかったそうだ。
・アルコールに適量はない
『Lancet』に掲載された新しい分析によると、アルコールに適量はないとのこと。すなわち飲まないことが一番良いということだ。
かつて、適量のお酒ならば体に良いという研究結果も報告されていたが、総合的に見るとどうやらそれは間違っているらしい。
もちろん人それぞれが思う、受容リスクがあるだろうし、体質や個人さもあるだろう。だが飲酒は必ずその代償を伴うという。
・膨大な研究データを分析。たった1杯でもリスクを伴う
ワシントン大学のマックス・グリスウォルド博士率いる研究チームは、いくつものデーターソースに当たった。
対象となったのは、個人・人口レベルのアルコール消費量に関する694のデータソースならびにアルコールリスクに関する592の予測的・遡及的研究のほか、世界の疾病および死の主要な原因を毎年調査している『2016 Global Burden of Disease』からのデータだ。
1990〜2016年までの195ヶ国・領土の状況を対象としたこの分析によれば、15〜49歳の男性の死因の12パーセントがアルコールに起因するものだという。
しかしより直近になって、ガンから結核までの病気の潜在的リスクを高め、危険な統計データに寄与するようになるアルコールの摂取量を調べたところ、次のことが確認された。
つまり、健康状態を別段に悪化させるアルコール摂取量はなく、同時に予想通り、リスクは個人の飲酒量に付随する。つまりたった一杯であっても大変な目にあう可能性はある、とグリスウォルド博士は言う。
・適量なら良いとする見解もあるが...
適度な飲酒が健康的かどうか、そしてそもそも”適度”がどの程度なのかについては議論がある。
たとえばハーバード・T・H・チャン・スクール・オブ・パブリック・ヘルスは、「適度の飲酒は心臓および循環器系にいいようだ」と報告している。しかしその報告では、適度の定義が1杯から3、4杯まで研究によってまちまちであることも指摘する。
『Dietary Guidelines for Americans 2015-2020』が定める基準では、”適度な飲酒”とは女性なら1日1杯、男性なら1日2杯とされている。
・適量なら体に良いは迷信
しかしグリスウォルド博士の研究論文は、1日1、2杯の飲酒なら体にいいという迷信を粉々に打ち砕いた。
それはただの迷信にすぎず、結局はアルコールに起因するさまざまな症状に行き着く。ほどほどの飲酒による些細なメリット(心臓発作の予防など)はあるだろうが、飲酒のコストはそれを上回るのだ。
「飲酒が体にいいとするたくさんの証拠は、たった1つの側面しか見ていないものです。虚血性心疾患や心臓発作を予防するといった話もありますが、それは極々小さな予防効果でしかありません。ついでに言えば、ガン・怪我・精神疾患など、数々の症状がアルコールに関連していることも確認されました」(グリスウォルド博士)
つまり飲酒によるそれらの影響を総合して考えれば、あまり勧められたものではないということだ。
昨年、適量のお酒ですら脳の老化を早めるという研究結果が報告された。今回の研究はその流れを更に裏付ける結果となったようだ。
禁煙の動きはかなり浸透しているが、次は禁酒へと移行していく感じなのかもしれない。どちらも嗜好品であり依存性のあるものだ。
また個人差も結構あって、タバコを吸ってもお酒を飲んでも長生きしている人もいる。でもって法的に規制するのはなかなか難しいし、お酒なんか特に飲食業界大打撃で経済的損失大きそうだから、結局禁酒の動きにはならないかな。
References:thelancet / inverse/ written by hiroching / edited by parumo
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